「AIで何か作ってみたい」。そう思ってツールを調べ始めると、選択肢の多さに手が止まることがあります。最初に決めたいのは、使うサービスの名前よりも、いま困っていることです。小さな作業を一つ選ぶところから、開発の輪郭を作ってみましょう。

この記事の目次
01

まずは、ひとつの面倒から始める

毎週の報告をまとめる。問い合わせを担当者ごとに分ける。長い資料から確認箇所を探す。ふだんの仕事にある小さな手間なら、できあがったものが役立つかどうかを判断しやすくなります。

たとえば「何でも答える社内AI」では範囲が広すぎます。「公開してよい手順書から、申請の締切を探す」まで絞れば、必要な資料も、間違えてはいけない点も見えてきます。

  • 使う人を一人、思い浮かべる
  • 最初に扱う入力を一種類に絞る
  • 正しい結果の見本を用意する
02

試すデータは、先に選んでおく

試作が早く進むほど、データの扱いは後回しになりがちです。最初は架空の入力や、公開してよい資料から始めると、作り直すときにも身軽でいられます。

顧客名や社内の機密を扱う段階では、サービスの保存・学習利用・削除の条件を確認します。「有料だから大丈夫」とひとまとめにせず、契約するプランと設定を確かめておきましょう。

机に広げたノートとペン。AI生成のイメージ。
考えていることを、まずは手元に書き出してみる。写真はAI生成のイメージ。
03

うまくいった例だけで、決めない

いつもの入力に加えて、空欄、表記ゆれ、長すぎる文章も試してみます。答えが出ることと、答えが正しいことは別です。正解を決められない作業なら、誰がどこを確認するかまでを手順に含めます。

一度で通った回数だけでなく、直すのにかかった時間も残しておくと、後でツールを選び直す材料になります。比較は、同じ課題と同じ完了条件で行うのが出発点です。

04

小さく使って、次の範囲を決める

最初から多機能にする必要はありません。ひとつの作業で「任せられる部分」と「人が見る部分」がわかれば、次に作るものも決めやすくなります。

まだ用途が曖昧なら、まずは普段の作業を書き出すところから。逆に、外部への送信や請求まで自動化したい場合は、確認・取消・復旧の設計を先に進めるのがおすすめです。

05

「できた」の条件を、一文で書く

たとえば試作の目的を「公開済みの社内向け案内から、申請期限と該当箇所を抜き出す」とします。入力は案内文、出力は期限と原文の引用、見つからなければ「記載なし」。これなら、返答がもっともらしいかではなく、原文と一致したかを確かめられます。

合格ラインは用途によって変わります。期限を間違えると困る仕事なら、試作中は送信せず下書きにとどめ、担当者が原文と照合してから使います。この例は設計を考えるための架空のケースで、導入実績ではありません。

  • 何を入力するか
  • どの形で返すか
  • どこを人が確かめるか
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