さっき伝えた条件なのに、もう忘れている。長い資料を入れたのに、肝心なところが答えに出てこない。こんなときは、会話を続けて言い聞かせるより、AIへ渡す情報を組み直した方が早い場合があります。何が原因で、どこを直せばよいのかを、架空の出張規程で見ていきます。

この記事の目次
01

コンテキストは「今回の返答で使う材料」

コンテキストには、質問だけでなく、指示、会話の履歴、添付資料、道具が返した結果などが含まれます。その情報を一度に扱える大きさがコンテキストウィンドウです。大きさはトークンという文章の処理単位で示されることが多く、単純な文字数ではありません。

ただし、画面に見える過去の会話すべてが、毎回そのまま渡されるとは限りません。サービスが古い内容を要約したり、一部を検索して取り出したりする場合があります。製品の仕様と、使っているモデルの上限を分けて確認する必要があります。

02

話が通じなくなる原因は、枠の不足だけではない

第一に、資料や会話が長くなり、必要な内容が入力から落ちる場合があります。第二に、情報は入っていても、大量の文章の中で必要な箇所をうまく拾えない場合があります。第三に、古い指示と新しい指示が矛盾して、どちらを使うべきか不明確な場合があります。

「大きな枠のモデルにすれば解決する」とは限りません。たとえば旧規程と改訂規程が両方ある状態では、読む量が増えても正本の指定がなければ迷う材料が増えます。先に、何を現在の条件として扱うのかをそろえましょう。

量を増やす前に、使う情報をそろえる。古い会話・旧規程|別へ分ける。現在の条件|対象と適用日。正本の必要箇所|条文を絞る。質問と確認|金額+根拠を出す。この整理で正答を保証するものではない。原文と答えを照合する
この整理で正答を保証するものではない。原文と答えを照合する画像を大きく見る ↗(新しいタブで開きます)
症状と、直す順番
症状考えられる原因先に試すこと
古い条件へ戻る矛盾した履歴がある変更点と現在の条件をまとめる
長い資料の一節を見落とす必要箇所を拾えていない章を絞り、根拠の場所を答えさせる
送信時点でエラー入力やファイルの上限容量・対応形式・トークン上限を確認
会話を替えても昔の話が出るメモリ等の別機能記憶やプロジェクト設定を確認
03

出張規程で比べる、短い入力・長い入力・整理した入力

架空の会社で、宿泊費の上限が通常12,000円、指定地域は15,000円へ改訂されたとします。質問は「指定地域へ出張する場合の上限はいくらか」です。以下は説明用に作った入力例で、AIの正答率を測った試験ではありません。

短い入力を「上限はいくら?」だけにすると、対象や根拠が不足します。長い入力に旧規程、全員の雑談、交通費のルール、今回の改訂を全部足すと、材料は増えても使う版が不明確です。整理した入力は、対象地域、適用日、正本の二行を先に指定します。

この例で確認したい回答は「15,000円。改訂版第2条の指定地域に該当するため」です。単に金額が合っただけでなく、通常地域の12,000円と区別できたか、どの版を使ったかまで確かめます。

04

長い会話は、引き継ぎメモを作って切り替える

新しい会話へ移る場合、過去を全部コピーする必要はありません。「目的」「現在の決定」「使う資料」「まだ決めていないこと」「次の一手」を残します。引き継ぎ自体もAIへ頼めますが、間違った前提が圧縮されて残ると修正しにくいため、保存前に人が読みます。

特に、採用をやめた案を現在の方針へ混ぜないことが大切です。「当初は電話受付を想定したが、現在はフォームだけ」と決まったなら、現在の運用と変更履歴を別の行にします。残す量より、再開時に誤解しないことを優先してください。

05

メモリやプロジェクトは、同じ「記憶」ではない

コンテキストは、その返答で扱う材料です。一方、メモリは会話をまたいで参照される情報を管理する機能、プロジェクトは資料や会話を仕事ごとにまとめる機能です。実際の挙動はサービスや設定により変わります。

「長文を読んでほしい」なら資料の整理、「別の会話でも前提を使いたい」ならメモリやプロジェクト、「覚えている情報を消したい」なら削除設定というように、やりたいことから機能を選びます。記憶の名称だけで、全部同じものと考えないようにしましょう。

06

資料を増やす前に、答え合わせを一度する

上の例を自分の仕事へ置き換えるなら、まずは短い資料と答えを知っている質問を一つ用意します。回答に根拠の箇所が付くか、資料にない質問には「分からない」と区別できるかを確認してから、扱う資料を増やしてください。

費用や単位が気になる方は日本語のトークン数の実測へ。毎月同じ資料を使う仕事ならChatGPTプロジェクトの作り方へ進むと、置き場所と更新の手順を整理できます。

QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

枠が大きいAIほど正確ですか?

扱える量は増えますが、必要な箇所の見落としや、古い資料との矛盾がなくなるわけではありません。正本と確認項目を先に決めます。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
新しいチャットにすると全部解決しますか?

長い履歴の整理には役立つ場合があります。ただし、メモリやプロジェクト等の別機能で情報が参照されることもあります。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
PDFは文字数を数えれば上限が分かりますか?

文字以外のページ画像や図表、サービス側の読み取り方法も関わります。本文の文字数だけで正確な利用量や読める範囲は決められません。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
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