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カスタマーマーケティングは、購入済みの顧客に向けて、活用の案内や勉強会、追加サービスの紹介を行う活動です。使い続けてもらうことや、追加購入・知人への紹介につなげます。

研修を受けた会社へ、翌週は職場で実践するチェックリストを送り、1か月後には困っている点を聞く。追加の練習が必要なら、その課題に合う研修を案内する。購入後の状況に合わせて、内容と届ける時期を考えます。

架空の研修会社を例に、顧客の利用状況の調べ方、案内の分け方、実施後に確認する数字を順に解説します。

この記事の目次
01

カスタマーマーケティングとは?購入後の顧客への働きかけ

カスタマーマーケティングは、購入済みの顧客に向けて行うマーケティングです。活用の案内、勉強会、利用事例の紹介などを通じ、継続利用や追加購入、紹介につなげます。

まだ契約していない会社へ研修を知ってもらうのが、新規顧客向けの活動です。一度研修を受けた会社へ、職場で実践する資料や次の課題に合う案内を届けるのが、カスタマーマーケティングの場面です。

カスタマーサクセスは、顧客が購入の目的を達成するために支援する仕事です。カスタマーマーケティングは、複数の顧客に向けた案内、勉強会、事例、コミュニティなどを通じて関係を育てます。境界は会社によって重なります。部署名を厳密に分けるより、誰が顧客の状況を知っているかが重要です。

営業との違いも、売るか売らないかだけではありません。たとえば既存顧客向け勉強会を企画し、相談が出たときに営業が個別に対応するなら、ひとつの取り組みを複数の役割で支えています。

02

利用の段階に合わせて、案内を分ける

研修会社には、契約したばかりのA社、実施したが職場で活用できていないB社、活用が進んで別部署でも実施したいC社がいるとします。この3社へ一斉に追加研修を売り込むと、A社とB社には早すぎます。

分類には契約額だけでなく、利用の段階、達成したい目的、困っていることを使います。「優良顧客」という名前を付けるだけでは、何を届けるか決まりません。「初回実施の準備中」「実践でつまずいている」「別部署への展開を検討中」とすれば、支援を考えやすくなります。

利用の段階に合わせて、案内を分ける
顧客の状態先に届けたいものまだ急がないこと
実施前のA社準備日程と担当者向け説明追加契約の案内
実践に困るB社つまずきの聞き取りと使い方紹介のお願い
展開したいC社他部署での利用条件と費用要望を聞かず一律に割引
03

顧客インタビューで聞く、利用後の変化と困りごと

聞きたいのは、買う前に困っていたこと、利用後に実際に変えた行動、まだ残っている問題です。「この研修は役に立ちましたか」だけだと、好意的な感想しか集まらないことがあります。

たとえば「研修の後、部下との面談で変えたことはありますか」「変えようとして難しかった点は何ですか」と聞きます。具体的な出来事がわかれば、次に必要な資料や支援を考えられます。お客様の発言と、担当者の解釈は別々に記録してください。

録音や文字起こしをする場合は、目的、共有する人、保管先を先に説明します。外部サービスへ入力できない情報がある会社もあります。文字起こしは記録を助けますが、話者や数字を誤ることがあるため、公開に使う発言は本人に確認します。

04

利用開始から更新まで、継続を支える案内

更新月になってから突然連絡するより、利用中に成果と困りごとを確かめる方が、必要な支援を届けやすくなります。研修なら、実施後の振り返り、現場で試す課題、担当者向け相談会などが考えられます。

ただし、連絡回数が多いほどよいわけではありません。顧客が使っていない機能の宣伝を続けても、負担になる場合があります。「前回の課題が解決したか」を確認し、その結果に応じて次の案内を変えます。

解約や契約終了の理由も分けます。成果が出ない、運用する人がいない、事業自体が終了した、の3つを同じ「不満」と集計すると対策を誤ります。継続が顧客に合わない場合まで引き止める設計にはしません。

05

追加契約は、新しい課題があるときに提案する

上位プランへの変更をアップセル、別の商品やサービスの追加をクロスセルと呼びます。言葉は違っても、顧客に新しい必要性があるかを先に確かめる点は同じです。

C社から「別の部署でも同じ研修をしたい」と相談があれば、対象者、目的、担当者の負担、費用を確認します。最初の部署と課題が違うなら、同じ内容をそのまま増やすより、別の構成が必要かもしれません。

提案には、今の契約でできることと、追加が必要なことを並べて示します。すでに利用できる支援を、新しい契約をしなければ受けられないように見せないことが信頼につながります。

06

事例掲載や紹介は、同意と負担を確認してから

顧客の声を記事にする場合は、会社名、担当者名、数値、写真をどこまで公開できるか確認します。社内で話してくれた内容が、そのまま公開の許可になるわけではありません。

紹介をお願いするなら、「知り合いを何社か紹介してください」より、どんな会社のどんな課題に役立つのかを伝えます。ただし、謝礼や特典がある場合は、その条件や表示の扱いを別途確認してください。顧客へ無理な推薦を求めないことが前提です。

公開事例では、商品を褒める言葉だけを並べず、導入前の困りごと、取り組んだこと、得られた結果、残る課題を順に説明します。数値を使うなら期間と対象も示します。

07

3社に、違う案内を送るならどう書くか

購入後の顧客へ送るメールを考えてみます。A社は研修日がまだ決まらず、B社は実施済みですが現場で使えていません。C社は手応えがあり、他部署へ広げたいと言っています。この3社へ同じ追加研修の案内を送っても、A社とB社の困りごとは解決しません。

A社への連絡は『日程を決めるうえで、受講者の調整と社内承認のどちらが止まっていますか』から始めます。返事に合わせて候補日や社内説明用の資料を用意します。売り込みの前に、最初の契約を使い始められる状態にすることが目的です。

B社へは『実際の面談で、使おうとして難しかった場面をひとつ教えてください』と聞きます。教材が理解できなかったのか、業務の時間が取れなかったのかで支援が変わります。感想を集めるだけで終わらず、次に何を補えば実務で使えるかを相談します。

C社へは、展開したい部署の人数、仕事内容、担当者を確認します。最初の部署と課題が違うなら、同じ内容をそのまま追加してよいとは限りません。追加契約が必要なのか、既存の資料共有で足りるのかも含めて提案します。顧客の目的と予算に合う範囲を選べるようにします。

記録するのはメールの送信数だけではありません。A社は日程決定、B社は現場で試せたか、C社は展開する課題が明確になったかを見ます。段階ごとに『顧客が進めたこと』を確認すると、単なる追加販売のキャンペーンと区別できます。

08

顧客の利用状況と、継続・追加契約を確認する

最初の案内なら準備が完了した割合、勉強会なら参加後に実践できたか、追加提案なら相談・契約へ進んだかを見ます。メールの開封だけでは、顧客の役に立ったかはわかりません。

既存顧客の契約売上を追うときはNRRとGRRを分けると、追加契約で売上が伸びた裏で解約が増えていないかを確認できます。ただし、施策を受けた顧客の方が継続したとしても、もともと関心の高い人が参加した可能性は残ります。

まずはひとつの顧客群と、ひとつの困りごとを選びましょう。誰に、何を届け、いつ役立ったかを確認する。実施日と顧客の反応を残しておくと、次に必要な案内を判断できます。

QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

既存顧客向けのメールを増やせばよい?

回数より、顧客の状況に合っているかを確認します。利用前、つまずいているとき、展開を検討するときでは必要な内容が違います。希望する連絡頻度や停止の案内も整えます。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
紹介を頼むのはいつがよい?

商品を使って目的を達成したかを確認し、本人が無理なく協力できるかを聞いてからです。契約直後や不満が残る状態で、一律に紹介を求めることは避けます。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
既存顧客へのお知らせを全部営業メールにしてよいですか?

利用を始めたばかりの顧客と、十分に使っている顧客では必要な案内が違います。困っている人にはまず使い方の支援を届けます。追加提案は新しい課題が確認できた段階で行い、送付の希望や配信停止も尊重してください。案内件数より、その後に顧客が何をできたかを見ます。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
SOURCES & EDITORIAL NOTE

出典と、この記事について

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