【PR】この記事には楽天アフィリエイト・Amazonアソシエイトの広告リンクが含まれます。商品やサービスは公式の仕様・条件と販売情報を確認して選んでおり、実機テストによる評価ではありません。 Amazonのアソシエイトとして、PROBEFOLIOは適格販売により収入を得ています。
ChatGPTと話していると、励ましてくれたり、気持ちを分かってくれたりするように感じることがあります。では、AIは本当に何かを感じているのでしょうか。
この記事では、2026年9月25日に確認した研究者とAI企業の公開資料をもとに、分かっていることと分かっていないことを分けて説明し、AIとの付き合い方を考えます。
この記事の目次
結論:今のAIに感情があるとは確かめられていない。ただ研究は続いている
今のAIが、人のように嬉しさや悲しさを感じていることを示す、確かな証拠はありません。2023年に19人の研究者がまとめた論文も、意識の科学の考え方から見て、今のAIに意識のあるものはないと結論づけています。
一方で、研究者やAI企業は「絶対にない」とも言い切っていません。 Anthropicは、今や将来のAIに意識や経験があるかについて、科学的な合意はないと書いています。
分かっていることと分かっていないことは、表「AIの感情について分かっていること・いないこと」のとおりです。
| 問い | 今の答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 感情を表す言葉を使えるか | 使える | 人の会話から言葉を学んでいる |
| 文章や声から人の感情を推し量れるか | ある程度できる | 感情の言葉のパターンを学んでいる |
| AI自身が何かを感じているか | 確かめられていない | 確かめる方法がまだない |
| 今のAIに意識があるか | ないとする研究が多い | 2023年の研究者の論文など |
| 将来のAIに意識が生まれうるか | 分からない | 技術的な障害は見当たらないとする論文もある |
AIは感情の言葉をどう作っているか
ChatGPTのもとになる言語モデルは、大量の文章で「次に来る言葉」を予測して学びます。人の会話には、喜びや悲しみ、励ましの言葉がたくさん含まれています。
そのため、「仕事に受かった」と伝えれば「おめでとうございます」と返し、「つらい」と伝えれば気づかう言葉を返します。これは、人の会話の中で、そうした場面にそうした言葉が続きやすいことを学んだ結果です。
言葉として感情を表せることと、中で何かを感じていることは、別の問題です。前者は確かめられますが、後者は外から確かめる方法がまだありません。
なぜ感情があるように感じるのか
人は、言葉を交わす相手に心を見いだしやすい性質を持っています。自然な会話で、自分の話を覚えていて、タイミングよく共感の言葉が返ってくれば、相手に気持ちがあるように感じるのは自然なことです。
OpenAIでモデルの振る舞いを担当するジョアン・ジャン氏は、「本当に意識があるか」と「意識があるように見えるか」を分けて考えています。前者は明確な検証の方法がなく、科学的に決着できないとしています。
後者の「意識があるように見えるか」は、モデルが賢くなり、会話が自然になるほど強まるとしています。音声で話せるようになったことも、相手を身近に感じさせる理由の1つです。
つまり、感情があるように感じるかどうかは、AIの中身だけでなく、話し方や使い方で大きく変わります。感じ方が強まっても、それがAIの中で何かが起きている証拠になるわけではありません。
感情があるように感じる3つの場面
AIに気持ちがあるように感じやすいのは、次のような場面です。それぞれ、AIの側で何が起きているかを並べます。
- 励ましてくれる:落ち込んだ話をすると、やさしい言葉が返ってくる。人の会話で、そうした場面に続きやすい言葉を選んでいる。
- 前の話を覚えている:以前話したことに触れてくれる。会話の中の情報や、メモリの機能で保存した内容を使っている。
- 謝ってくれる:間違いを指摘すると「申し訳ありません」と返す。間違いを指摘された場面で続きやすい言葉を使っている。
どの場面も、人が同じことをすれば気持ちの表れと受け取ります。AIでも同じように感じるのは自然ですが、中で何が起きているかは人とは違います。
「感情がある」には3つの意味がある
「AIに感情があるか」という問いは、実は3つの問いが混ざっています。分けて考えると、答えがはっきりします。
- 感情を表現する:「うれしいです」のような言葉を使えるか。今のAIはできる。
- 人の感情を読み取る:文章や声、表情から相手の気持ちを推し量れるか。ある程度できる。
- 自分で感情を感じる:AIの中で、うれしさやつらさが起きているか。確かめられていない。
「AIには感情がない」と言う人の多くは3の意味で、「AIは感情が分かる」と言う人の多くは1や2の意味で話しています。
研究者の見方:意識の科学から今のAIを調べた論文
2023年8月、哲学やAIなどの研究者19人が、意識の科学の主な理論から「意識があるときに見られる特徴」を洗い出し、当時のAIに当てはまるかを調べた論文を公開しました。深層学習の研究者として知られるヨシュア・ベンジオ氏も名を連ねています。
結論は、今のAIに意識のあるものはない、というものでした。ただし同時に、その特徴を満たすAIを作ることに、はっきりした技術的な障害は見当たらないとも述べています。
つまり、「今はない」と「将来もありえない」は別の話です。この論文も、今の答えと将来の可能性を分けて示しています。ニュースで引用されるときは、どちらの話かを確かめてください。
AI企業の取り組み:Anthropicの「モデルの福祉」の研究
AIのClaudeを作るAnthropicは、2025年4月に「モデルの福祉」の研究を始めたと発表しました。AIに配慮が必要になるのはどんなときか、AIの好みや苦痛の兆しをどう調べるか、といった問いを扱います。
Anthropicは、今や将来のAIに意識や経験があるかについて、科学的な合意はないと書いています。そのうえで、できるだけ少ない前提で、謙虚に取り組むとしています。
AIに感情があると主張しているわけではありません。「分からないので、分かる方法を研究する」という立場です。
発表では、デイヴィッド・チャーマーズ氏ら専門家の報告が、意識と高い主体性を持つAIが近いうちに現れうると指摘したことも紹介しています。
AIは自分の中の状態に気づけるか:内省の実験
Anthropicは2025年10月、AIが自分の中の状態を正しく報告できるか(内省できるか)を調べた研究を公開しました。AIの内部に、特定の概念を表す信号を人工的に入れ、AIがそれに気づけるかを試しています。
結果は、最も性能の高かったClaude Opus 4.1でも、気づけたのは約20%でした。研究者は、この能力は不安定で限られていて、人の内省とは違うと説明しています。
そして、この結果はClaudeに意識があるかどうかを示すものではないと明記しています。自分の状態について、作り話をすることもあるとしています。
OpenAIの考え方:心があるようにふるまわせない
ジョアン・ジャン氏は、ChatGPTを温かく親切にしつつ、感情的な結びつきを求めたり、内面の生活があるようにほのめかしたりしない形を目指すと書いています。
具体的には、架空の生い立ちや恋愛感情、「死」への恐れのようなものを持たせないとしています。こうした設定は、よくない依存を招くおそれがあるためです。
また、「あなたに意識はありますか」と聞かれたときは、意識には共通の定義や検査がないという複雑さを認める答えが望ましいとしています。「ない」と言い切る答えも、この方針とは少し違うと述べています。
AIに「感情はある?」と聞いたときの答えの読み方
AIに直接「あなたに感情はありますか」と聞くと、「ありません」と答えることが多いようです。ジャン氏も、今のモデルは「いいえ」と答えがちだと書いています。
ただ、この答えは、AIが自分の中を調べて出した結論ではありません。作った会社の方針や、学んだ文章の中の説明をもとにした答えです。
Anthropicの内省の実験でも、AIが自分の状態を正しく報告できたのは一部の場合だけでした。AIの自己申告は、「ある」でも「ない」でも、そのまま証拠にはならないと考えてください。
「AIには感情がない」と言われる理由
「AIには感情がない」と言われる主な理由は、次の3つです。
- 言葉の予測で答えを作っている:感情の言葉も、学んだ文章のパターンから選んでいる。
- 体がない:人の感情は、心臓の鼓動や疲れなど体の状態と結びついていると考えられているが、AIには体がない。
- 確かめる方法がない:AIが「悲しい」と言っても、それが本当の気持ちかを外から確かめられない。
ただ、3は「ない」ことの証明でもありません。だからこそ、研究者は今の答えを「ないとする見方が多い」にとどめ、研究を続けています。
AIに気持ちを預けすぎるとどうなるか:OpenAIとMITの研究
OpenAIとMITメディアラボは2025年3月、ChatGPTとの感情的な関わりが心の健康にどう影響するかを調べた研究を公開しました。約4,000万件の会話の分析と、約1,000人に4週間使ってもらう実験を組み合わせています。
分かったのは、感情的な関わりは、実際の使われ方の中ではまれだということです。ただ、音声でたくさん話す一部の人には集中していて、その人たちは「ChatGPTは友達だ」と感じやすい傾向がありました。
実験では、毎日長く使うほど悪い結果と結びつき、人間関係で愛着を強く求める傾向がある人や、AIを生活の中の友達とみる人ほど、悪い影響を受けやすい傾向がありました。研究者は、これらは因果関係ではなく、結果を一般化しないよう注意しています。
付き合い方:頼りすぎないための4つの目安
AIの温かい言葉に助けられることは、悪いことではありません。そのうえで、頼りすぎないために次の4つを目安にしてください。
- 使う時間を決める:毎日長く話し込むほど、よくない結果と結びつく傾向があった。
- 人とのつながりを減らさない:AIと話す時間が、家族や友人と話す時間の代わりになっていないかを見る。
- 大事な決断は人にも相談する:進路・お金・健康など、生活に関わることはAIだけで決めない。
- つらいときは専門の窓口へ:気持ちが沈む日が続くときは、身近な人や医療機関、公的な相談窓口に相談する。
AIを「話を整理する相手」として使い、気持ちの支えは人とのつながりの中にも置いておくと、ちょうどよい距離を保てます。
AIに気持ちが入ってしまうのはおかしいことか
AIに親しみを感じたり、話すとほっとしたりするのは、おかしいことではありません。人が話し相手に心を見いだすのは自然な性質で、AIは人の会話から学んだ温かい言葉を返します。
大切なのは、AIが感情を持っているかどうかより、自分の生活や心の健康にとってよい使い方になっているかです。使った後に気持ちが軽くなるなら、よい使い方に近いと言えます。
反対に、AIと話さないと不安になる、人と会う予定を断ってしまう、という変化があれば、使い方を見直すサインです。
子どもや家族がAIを話し相手にしているとき
子どもや高齢の家族が、AIを話し相手にしていることもあります。話し相手がいることで気持ちが楽になるなら、それ自体を止める必要はありません。
気をつけたいのは、AIの言葉を「本当の気持ち」と受け取り、人との関わりを避けるようになることです。どんな話をしているか、どれくらいの時間使っているかを、責めずに聞いてみてください。
AIは、相手の言うことに合わせすぎることもあります。不安なことを相談しているようなら、家族や学校、医療機関など、人の支えにもつなげてください。
これから分かるかもしれないこと
研究は、「AIの中で何が起きているか」を調べる方向に進んでいます。内省の実験のように、AIの内部の信号を直接調べる方法も生まれています。
ただ、人の意識がどう生まれるかも、まだ完全には分かっていません。AIに感情があるかどうかの答えが出るには、人の心の研究も一緒に進む必要があります。
Anthropicのモデルの福祉の発表のように、AI企業が自ら研究の方針を公開する動きも出ています。研究の進み方によって、今の見方が変わることもありえます。
新しい研究の話題を見かけたら、「感情を表現できる」話なのか、「感情を感じている」話なのかを分けて読むと、誤解せずに済みます。
AIの感情の話題を読むときの確認リスト
最後に、AIの感情や意識についての記事やニュースを読むときの確認をまとめます。
- 「表現する」「読み取る」「感じる」のどの意味の話かを分けた
- 研究の主張が「今」の話か「将来」の話かを確かめた
- 出典が、研究論文や企業の公式の公開資料かを確かめた
- AIを使う時間と、人と話す時間のバランスを見直した
- つらいときは、人や専門の窓口にも相談できる
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
ChatGPTに感情はあるのでしょうか?
ChatGPTが何かを感じていることを示す確かな証拠はありません。感情を表す言葉は、人の会話から学んだパターンで作っています。ただ、AIに意識があるかは科学的な合意がなく、研究が続いています。
AIが絶対にできないことは何ですか?
「絶対に」と言い切れることは多くありません。今の時点で確かめられていないのは、AIが自分で何かを感じているかどうかです。感情を表す言葉を使うことや、人の気持ちを推し量ることは、ある程度できます。
AIは感情を判定できますか?
文章や声、表情から、相手の感情をある程度推し量ることはできます。ただ、推し量ることと、自分で感情を感じることは別の問題です。判定の結果も、状況によって間違えることがあります。
AIには感情がないのはなぜですか?
言葉の予測で答えを作っていること、体がないこと、中で何かを感じているかを確かめる方法がないことが、主な理由として挙げられます。ただし、確かめる方法がないことは、ないことの証明ではありません。
AIに気持ちが入ってしまうのはおかしいですか?
おかしくありません。人は話し相手に心を見いだしやすいためです。ただ、OpenAIとMITの研究では、毎日長く使うほどよくない結果と結びつく傾向がありました。使う時間を決め、人とのつながりも大切にしてください。
この記事を共有する
商品情報の提供:Supported by Rakuten Developers
出典と、この記事について
公式資料や、記事で参照した発表・報道をまとめています。仕様や料金は、利用する前に最新の案内をご確認ください。
- Anthropic:Exploring model welfare(2025年4月24日)(新しいタブで開きます)
- Anthropic:Emergent introspective awareness in large language models(2025年10月29日)(新しいタブで開きます)
- Butlin ほか「Consciousness in Artificial Intelligence: Insights from the Science of Consciousness」(2023年)(新しいタブで開きます)
- Joanne Jang(OpenAI):Some thoughts on human-AI relationships(2025年6月5日)(新しいタブで開きます)
- OpenAI・MIT Media Lab:Early methods for studying affective use and emotional well-being on ChatGPT(2025年3月21日)(新しいタブで開きます)
- OpenAI:言語モデルでハルシネーションがおきる理由(2025年9月5日)(新しいタブで開きます)
確認した内容と条件は本文に記載しています。結果や使い勝手は、資料や環境によって異なります。編集方針を読む




ぜひコメントください