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昇進させたい部下を推薦するなら、次の役割で求められることと、本人が示した実績をつなげて説明します。「頼りになる」「頑張っている」という印象だけでなく、対象期間、本人の担当、成果の根拠、支援が必要な点をそろえましょう。
架空の管理職・里奈さんが、担当者の健さんをチームリーダーへ推薦したい場面です。ここで示すメモは作例であり、特定企業の評価制度や、昇進を保証する採点表ではありません。
この記事の目次
最初に、昇進先の役割と選考の手順を確認する
昇進は、役職などが上がることを指して使われます。一方、昇格は等級が上がる意味で使われることがあり、会社によって呼び方や制度が違います。推薦する前に、自社の定義、要件、審査、推薦する権限、候補者への伝達ルールを確認します。
里奈さんが考えているチームリーダーには、業務の優先順位を調整し、メンバーの困りごとを責任者へ渡す役割が求められています。現在の担当業務が速いことだけでなく、その役割に関係する行動を見ます。本人の力量とは別に、ポストや予算など組織側の条件があるかも確認してください。

評価する期間と、確認できる実績をそろえる
最近うまくいった一件だけで全期間を評価したり、直近の失敗だけで全実績を消したりしないようにします。評価する期間をそろえ、具体的な案件、本人の担当、周囲との協働、結果の根拠を確認します。
売上など数値を使う場合は、集計期間や対象を明記します。数値がない仕事も、問題を発見した記録、引き継ぎ資料、関係者の確認などから説明できます。「みんなが信頼している」という曖昧な表現だけで、確認した事実を置き換えないようにします。

共同成果と、本人の貢献を分けて書く
チームで納期に間に合ったなら、それを本人一人が実現した成果として書かないでください。健さんの担当が、未確定の作業を整理し、確認先を一覧にしたことなら、その行動と、チームが利用した事実を示します。
例えば「健が担当した確認先一覧を用い、関係者が残作業を確認した。最終的な優先順位は里奈が判断した」と書けば、本人の貢献と上司の判断を区別できます。直接確認していない成果や、原因との関係が分からない改善率を付け足す必要はありません。
| 印象だけの説明 | 確認して書く内容 |
|---|---|
| 責任感がある | どの案件で、どの未決定事項を見つけ、誰へ報告したか |
| 部下の面倒見がよい | 誰に何を説明し、理解をどう確かめたか |
| 調整力がある | 対立した条件をどう整理し、どの判断につないだか |
| 成果を出している | 期間・対象・本人の担当・確認できる結果は何か |
次の役割で必要な行動と、実績を結びつける
「今の仕事が優秀だから、管理職も必ずうまくいく」とは限りません。推薦先の役割に照らし、既に示した行動、限定した範囲で試した行動、まだ確認できていない行動を区別します。自社の制度が求める実績と審査を優先します。
GitLabの公開制度には、役割の必要性と本人の準備、上位の職務で求められる実績を整理する考え方が示されています。これは一社の例であり、日本企業共通の昇進基準ではありません。自社の要件と証拠をつなぐときの参考として扱います。
本人には、希望と役割の理解を確認する
推薦したい気持ちがあっても、本人は専門性を深めたい、今は勤務条件の変更が難しい、と考えているかもしれません。選考や情報共有のルールを守りながら、期待する役割、変わる責任、確認が必要な条件を説明し、希望を聞きます。
未決定なのに「来期は昇進できる」と約束しないでください。「候補として検討したいが、正式な判断は選考による」と段階を説明します。私生活や健康など、必要以上に詳しい情報を評価メモへ集めるのではなく、業務上必要な支援を適切な範囲で相談します。

推薦メモは、要件・実績・支援を分けてまとめる
里奈さんは、役割の要件へ対応する実績を一つずつ書きました。本人の希望を確認したか、まだ確認できていない行動は何か、昇進後にどの支援が必要かも別欄にします。良い面だけで埋めた推薦文より、判断に必要な情報を整理することを目指します。
以下の内容は、健さんという架空の候補者を使った作例です。社内で指定された様式があれば、その項目へ置き換えてください。選考会議の相手に開示してよい情報の範囲も確認します。

他の候補者にも、同じ期間と要件を使う
親しさ、声の大きさ、残業しているように見えることだけで候補者を選ばないようにします。担当した仕事や与えられた機会が違う場合は、その違いも考慮し、比較できる要件に沿って確認します。接点の少ない候補者を、情報がないという理由だけで低く評価しないでください。
他者の評価やうわさを集めるのではなく、必要な範囲で具体的な協働の記録を確かめます。自分の推薦を通すために別の候補者を下げる説明は避け、判断に足りない情報は未確認として残します。
推薦が通らない場合は、未決定と改善点を分けて伝える
推薦したことと、正式に昇進が決まることは別です。見送りになった場合、本人の能力だけが理由とは限りません。共有できる範囲の理由、確認された課題、次に検討する機会を人事や責任者へ確認します。分からない理由を作って説明しないでください。
本人へは、実績として評価された点、役割に対して確認が必要な点、今後支援できる行動を分けて伝えます。「次は必ず」と約束するより、次の確認時点と、そこまでに何を試すかを相談します。
管理職の教材は、役割と支援を具体化するために使う
まず無料で、自社の役割要件と実績を一枚へ整理します。昇進後に仕事をどう任せるか、判断をどこまで渡すかで迷うなら、権限や業務の委任を学ぶ教材が候補になります。推薦を必ず通すための商品ではありません。
教える立場へ移ると、本人が仕事を抱え込むだけではチームを支えきれない場合があります。教材は、任せる範囲と確認の置き方を考える補助に使い、自社の評価制度の代わりにはしないでください。
今日の一手は、推薦先の要件を一つ選ぶ
役割の要件を一つ取り出し、それに対応する本人の行動と根拠を確認します。印象、共同成果、本人の貢献、未確認の点を分けるところから始めましょう。本人の希望と支援を確認して、判断に必要な推薦メモへ整えます。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
成績が一番よい部下を推薦すればよいですか?
現在の実績に加え、推薦先の役割で求められる行動と自社の評価制度を確認します。個人の成果が高いことだけで、育成や複数人の調整が確認できたとは限りません。
本人へ、昇進できると伝えてよいですか?
正式な決定前に昇進を約束しないようにします。候補としての検討と正式な決定を分け、会社の情報共有ルールに沿って期待する役割と希望を確認します。
数値で表せる成果が少ない場合はどう書きますか?
案件、本人の担当、行動、成果を確認できる記録を示します。根拠のない改善率を作らず、役割に関係する具体的な貢献を説明します。
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