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アトリビューションは、購入や問い合わせに至るまでの広告・検索・メールなどに、成果への貢献を割り当てる考え方です。GA4では、計測できた訪問の情報をもとに、配分のルールやモデルで評価します。
広告を見た人が、後日Google検索で訪問し、最後にメールのリンクから購入したとします。この1件をメールの成果として数えるのか、それ以前の広告や検索にも分けるのか。その評価方法を確認するのが、アトリビューション分析です。
この記事では、GA4でモデルを比べる考え方、対象にする期間、数値を読む際の注意点を解説します。配分が変わることと、実際の購入件数が増えることを区別して確認します。
この記事の目次
アトリビューションとは?1件の購入を接点ごとに評価する方法
架空の購入経路を「広告→自然検索→メール→購入」とします。最後の対象接点へ貢献を置くルールなら、メールが重く評価されます。複数の接点を考慮するモデルでは、別の配分になる可能性があります。
大切なのは、配分を変えても実際の購入件数が増えたわけではないことです。1件の成果の見方が変わっています。各媒体がそれぞれ1件と報告したからといって、合計3件の購入があったとは限りません。
仮に説明用に広告0.2、検索0.3、メール0.5と配分すれば合計1件です。これは理解用の任意の数字で、GA4の実際の計算結果や固定ルールではありません。
GA4のアトリビューションモデルを確認する
Google公式ヘルプは、ファーストクリック、線形、減衰、接点ベースのモデルが廃止されたことを案内しています。古い解説に選択肢が載っていても、現在の画面で同じように選べるとは限りません。
データドリブンのモデルは、利用できるデータを使って貢献を評価します。人が「最初30%、最後70%」と一律に指定する方式と同じではありません。ただし、観測できない接点まで完全に把握できるわけではありません。
モデルを選ぶときは、レポートに何が表示されるかと、広告の入札へ何が使われるかを混同しないようにします。GA4と広告サービス側の設定は、担当者が確認してから変更します。
どの成果を比べるか、先にそろえる
問い合わせ、資料請求、購入は別の行動です。すべてをひとつの合計にすると、どの広告が何に貢献したかがわかりにくくなります。比較したい対象のイベントと期間を選びます。
購入イベントなら重複送信、金額、通貨などを確認します。問い合わせなら、送信ボタンではなく受付完了が測れているかを確かめます。元の計測が間違っていれば、どんなモデルで配分しても判断しづらくなります。
広告やメールのリンクに使うキャンペーン名もそろえます。同じ企画を複数の表記で送ると、別々の行へ分かれます。URLへ個人情報を入れないことも重要です。
モデル比較では、配分の違いを見る
Google公式ヘルプでは「広告」から「アトリビューション」「モデル比較」へ進む手順が示されています。対象のプロパティを確認し、期間、対象の成果、比較するモデルをそろえます。利用できるレポートは権限や設定によって異なります。
チャネルや参照元など、同じ分類で比較します。モデルを変えたとき、どの行の貢献が増減するかを見ます。数字が増えたチャネルへ、そのまま予算を全額移す判断はしないでください。
比較結果の保存には、日付、対象イベント、モデル、期間を一緒に残します。数値だけをスライドへ貼ると、後で違う条件の表と比較してしまいます。
ルックバックウィンドウとは?成果をさかのぼる期間
購入の直前だけを見る場合と、それより前の一定期間を見る場合では、含まれる接点が変わります。このような参照する期間を、ルックバックウィンドウと呼びます。
翌日に買う商品と、数か月検討する法人契約では、経路の長さが違います。ただし、長く設定すればすべて正しくなるわけではありません。使える設定、計測の範囲、成果との関係を確認します。
期間や対象チャネルを変えたら、その日と理由を記録します。前後で同じ指標名でも中身が変わることがあるため、設定変更を施策の成果と取り違えないようにします。
レポートに含まれない接点と、分析の限界
口コミ、対面の会話、別の端末で見た情報など、十分に結びつかない接点があります。同意やブラウザの制約などで、計測に限界もあります。レポートに現れないことだけで無価値と決めないでください。
反対に、最後の接点として表示されるから、その広告がなければ売れなかったとも限りません。すでに買うつもりだった人が広告を使った可能性があります。配分と追加効果は別の問いです。
追加効果を知りたい場合は、適切に設計した比較実験などが必要になります。アトリビューションの表は予算判断の材料ですが、唯一の答えにはしません。
会議で「この広告は止めるべき?」と聞かれたら
ある経路で広告、自然検索、メールの接点を経て購入が起きたとします。最後の接点だけを見る配分ではメールへ成果が集まり、別のモデルでは前の接点にも配分されることがあります。この違いだけで『メールだけ残して広告を止める』と結論を出すのは早計です。
まず、比較しているのが同じ成果かを確認します。購入と資料ダウンロードを一緒に選んでいれば、同じ1件でも事業への意味が違います。対象期間、対象のキーイベント、モデル、通貨や売上の扱いをそろえてから比べます。キーイベントとは、そのサイトで重要な行動として指定したイベントです。
報告の言い方は『このモデルでは広告への配分が増える』までにします。『広告がなければ、その分の購入はなかった』という説明は、別の検証が必要です。接点への配分と、広告が新たに生み出した効果は違う問いだからです。
もし予算を見直す必要があるなら、費用、配分された成果、実際の契約の質、継続状況などを合わせます。大きな判断では、広告を出す条件を分けた実験や、他の分析が必要になる場合もあります。観測できていない接点があることを考え、単独のレポートだけで全額を振り替えないようにします。
会議用のメモは『確認できた変化』『考えられる理由』『次に確かめること』の3つに分けると伝わります。メモに対象イベントとモデル名も添えると、会議で数字の条件を確かめられます。
報告は、事実・解釈・次の確認を分ける
「モデルを変えると自然検索の配分が増えた」が事実なら、「比較検討の途中で検索が使われている可能性がある」が解釈です。その後に「流入ページと経路を確認する」を置きます。解釈を確定した効果として書かないようにします。
サイトの中で止まる場所を知りたいならファネル分析、広告費全体と売上の関係を長期の集計データで考えたいならMMMも別の方法としてあります。
まずひとつの成果と同じ条件でモデルを比べ、どこが変わったかを説明できるようにしましょう。比較に使ったイベント・期間・モデルを記録しておくと、次回も同じ条件で確認できます。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
媒体の成果を足せば全体売上になる?
同じ購入を複数媒体が数える場合があります。実際の注文や受付記録と照合し、媒体ごとの計測期間やルールを確認します。単純合算で売上を作らないでください。
古い記事にある線形モデルが見つからない
GA4では複数の従来モデルが廃止されています。現行の公式ヘルプと画面を確認してください。別の解析サービスの選択肢をGA4へそのまま当てはめないようにします。
モデルを変えて広告の貢献が増えたら、売上も増えたことになりますか?
同じ成果を別のルールで配分しただけなら、会社の売上自体は増えていません。モデルの変更前後で広告の評価を比較するときは、同じ期間と成果を使ったか確認します。予算を増やす判断には、追加の広告費でどれだけ売上や粗利益が増えるかという別の問いも必要です。
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