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生成AIパスポートとG検定のいちばんの違いは、学ぶ範囲です。生成AIパスポートは生成AIの使い方とリスクが中心で、G検定は機械学習やディープラーニングのしくみ、法律・倫理まで含むAI全般を扱います。
この記事では、2026年9月25日に確認したGUGAとJDLAの公式情報をもとに、2つの試験を比べ、どちらを先に受けるかの決め方を説明します。
この記事の目次
結論:使う側なら生成AIパスポート、しくみと活用ならG検定
生成AIパスポートは、生成AI活用普及協会(GUGA)が実施する試験で、生成AIの基礎、動向、使い方と、情報漏えいや権利侵害などの注意点を学びます。
G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する検定で、ディープラーニングの基礎知識と、事業で活用する力を確かめます。機械学習の手法や数理・統計、法律・倫理まで範囲が広いのが特徴です。
生成AIを使う側として、リスクと使い方を身につけたいなら生成AIパスポート。AIのしくみを理解し、活用を企画・判断したいならG検定が目的に合います。
主な違いは、表「生成AIパスポートとG検定の比較」にまとめました。数字は2026年9月25日に公式で確かめたものです。
| 項目 | 生成AIパスポート | G検定 |
|---|---|---|
| 実施団体 | GUGA(生成AI活用普及協会) | JDLA(日本ディープラーニング協会) |
| 受験料(一般・税込) | 11,000円(学生5,500円) | 13,200円(学生5,500円) |
| 時間と問題数 | 60分・60問 | オンライン100分・145問程度 |
| 1問あたりの時間 | 約1分 | 約41秒 |
| 形式 | オンライン(IBT)。1つまたは複数を選ぶ | 多肢選択式(会場受験もある回あり) |
| 回数 | 年5回(期間中いつでも) | 2026年は年6回(日時指定) |
| 直近の合格率 | 81.21%(2026年8月) | 76.97%(2026年第5回) |
| 合格基準 | 開示されていない | 開示されていない |
範囲の違い:重なるのは基礎と法律の一部
2つの試験の範囲は、AIの基礎と法律・倫理の一部で重なりますが、中心は大きく違います。
生成AIパスポートのシラバス(2026年2月試験から)は、AI、生成AI、現在の生成AIの動向、情報リテラシー・基本理念とAI社会原則、テキスト生成AIのプロンプト制作と実例の5章です。
G検定のシラバス(G2024#6から)は、人工知能とは、動向、機械学習の概要、ディープラーニングの概要・要素技術・応用例、社会実装、数理・統計、法律と契約、倫理・ガバナンスの10分野です。
範囲の重なり方は、図「2つの試験の範囲」のとおりです。プロンプトの書き方は生成AIパスポートにだけ、ディープラーニングの手法や数理・統計はG検定にだけあります。
2つの試験の範囲
- 生成AIパスポートだけ
プロンプトの書き方と実例、生成AIのサービスの動向
- 両方で重なる
AIの定義と歴史、機械学習の基本、著作権・個人情報などのリスク、AIのガイドライン
- G検定だけ
ディープラーニングの手法(CNN・RNN・Transformer など)、数理・統計、AIの社会実装の進め方
重なる部分は、どちらを先に受けても、もう一方の勉強で復習になります。
G検定だけの範囲は量が多いため、生成AIパスポートに受かった人でも、G検定には別の準備が必要です。
難易度の違い:勉強時間はG検定のほうが長い
合格率はどちらも約8割で、大きな差はありません。ただし、範囲の広さと1問にかけられる時間が違うため、準備の負担はG検定のほうが大きくなります。
- 範囲:G検定は10分野、生成AIパスポートは5章。
- 勉強時間:G検定はJDLAの合格者アンケートで30〜50時間が最多。生成AIパスポートは目安が公表されていないが、この記事では15〜20時間を目安にしている。
- 1問あたりの時間:G検定は約41秒、生成AIパスポートは約1分。
- 出題の形:生成AIパスポートには、正しい選択肢を複数選ぶ問題がある。
AIの用語に初めて触れる人にとっては、生成AIパスポートのほうが取り組みやすい試験です。
向いている人:目的別の選び方
迷ったら、受ける目的で選びます。表「目的別の選び方」で、自分に近い行を探してください。
どちらにも当てはまる人は、次の節「どちらを先に受けるか」を読んで順番を決めます。
目的がはっきりしないまま受けると、合格しても使い道が見えず、「意味なかった」と感じやすくなります。受ける前に、半年以内に使う場面を1つ書き出しておくと、選び方がぶれません。
| 目的 | 向いている試験 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社で生成AIを使い始める・使い方のルールを作る | 生成AIパスポート | リスクと使い方に範囲が絞られている |
| 会社に全員受験を求められた | 会社の指定どおり | 社内の共通の知識として使われることが多い |
| AIの企画・導入を任された | G検定 | 手法とできること、法律まで判断の材料がそろう |
| ベンダーや技術者と話す機会が多い | G検定 | 機械学習の用語で話が通じる |
| AIを学び始めたばかり | 生成AIパスポート→G検定 | 範囲の狭いほうから入ると続けやすい |
3人の例で考える
立場によって、選ぶ試験と順番は変わります。よくある3つの例で考えます。
- 営業事務で、会社が生成AIの利用を始めたAさん:生成AIパスポート。入力してよい情報と、答えの確かめ方を学ぶことが、日々の作業に直結する。
- 企画部門で、AIを使った新しいサービスを考えるBさん:G検定。手法ごとにできること・できないことが分かり、企画の実現性を自分で判断できる。
- 情報システム部門で、社内のAI活用の窓口になったCさん:両方。まず生成AIパスポートで利用のルールを整え、次にG検定でベンダーの提案を評価できるようにする。
どの例でも、試験は目的のための手段です。自分がどの立場に近いかを考えると、選び方に迷いにくくなります。
どちらを先に受けるか:3つのパターン
両方を視野に入れている人は、今の知識と仕事に合わせて順番を決めます。
- 生成AIパスポート→G検定:AIの用語に慣れていない人。範囲の狭い試験で基礎を固めてから、G検定の広い範囲に進む。
- G検定→生成AIパスポート:ITやデータの仕事をしている人。G検定で全体を押さえ、生成AIの使い方とリスクを後で補う。
- G検定だけ:AIの企画や導入を任され、生成AIの使い方は仕事で日々身についている人。
順番を決めたら、最初の試験の申込期限を確かめます。生成AIパスポートの2026年10月の試験は、申込が9月30日までです。
両方受ける場合の日程の組み方(2026年秋の例)
2026年の残りの日程で両方受けるなら、生成AIパスポートの10月の試験(10月1〜31日、申込は9月30日まで)と、G検定の第6回(11月6日・7日、個人の申込は10月29日まで)を組み合わせる方法があります。
ただし、間が1か月ほどしかないため、G検定の30〜50時間を確保できる人向けです。AIの用語に初めて触れる人は、G検定を2027年の回に回すほうが無理がありません。
同じ時期に両方の勉強をするときは、重なる範囲(AIの基礎・法律・ガイドライン)を先にまとめて学ぶと、二重の手間が減ります。
生成AIパスポートは期間中いつでも受けられるので、10月の前半に受けておくと、残りの期間をG検定の準備にあてられます。
重なる範囲を先に学んで、二重の手間を減らす
両方受ける人は、重なる範囲を先にまとめて学ぶと、2回目の試験の準備が短くなります。重なるのは主に次の3つです。
- AIの定義と歴史:第1〜3次のAIブームで、何ができるようになったか。
- 機械学習の基本:教師あり学習・教師なし学習・強化学習の違いと、身近な例。
- リスクとルール:著作権・個人情報の注意点と、AI事業者ガイドラインの考え方。
この3つを1枚のメモにまとめておくと、どちらの試験の前にも読み返せます。G検定の数理・統計やディープラーニングの手法は、その後に時間をかけて学びます。
費用の違いと、両方受けたときの合計
受験料は、生成AIパスポートが一般11,000円・学生5,500円、G検定が一般13,200円・学生5,500円(いずれも税込)です。
両方受けると、一般は合わせて24,200円、学生は11,000円です。これに教材費が加わります。
G検定は、前回の受験日から2年以内の再受験が半額になります。生成AIパスポートの公式の案内には、再受験の割引の記載は見当たりませんでした(2026年9月25日確認)。
生成AIパスポートの資格は無期限で、任意の資格更新テスト(6,600円、学生3,300円)があります。G検定の試験概要には、合格の有効期限の記載はありません。
試験のルールの違い
どちらもオンラインで受けられますが、試験中のルールの書かれ方は違います。
生成AIパスポートの試験概要では、関係のない外部の情報を見て答えに使うこと、問題をAIツールや検索サービスに送ること、ほかの人の助言を受けることが禁止されています。ログ・映像・操作履歴から不正と判断されると失格になることがあります。
G検定の試験概要とよくある質問のページには、試験中に資料を見てよいかの記載はありません(2026年9月25日確認)。受験前に、申込時の規約と案内メールで確かめてください。
どちらの試験でも、1問にかけられる時間は約1分以下です。調べて解く前提ではなく、何も見ずに答えられる状態を目標にします。
評価のされ方の違い
どちらも国家資格ではなく、合格だけで仕事が決まることはありません。評価のされ方は、次のように違います。
- 生成AIパスポート:「生成AIを安全に使う基礎を身につけている」ことの目安。会社で全員受験を求める例が増えている。
- G検定:「AIのしくみと活用を体系的に学んだ」ことの目安。AIの企画・推進を担う人が受けることが多い。
2026年の受験者は、生成AIパスポートの8月の試験が32,877人、G検定の第5回が14,908人でした。どちらも、受けたことのある人が社内にいる可能性が高い資格です。
面接や評価面談では、どちらの場合も「学んだことを何に使ったか」を具体的に話せると、資格が評価につながりやすくなります。
教材の違い:どちらも公式のテキストがある
生成AIパスポートは、GUGAの公式テキスト第4版(2026年2月試験からのシラバスに対応)と、それに対応した公認の教材があります。説明と問題が1冊にまとまった教材を選ぶと、別に問題集を買わずに済みます。
G検定は、JDLAが案内する『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版』(2024年5月発売)があります。範囲が広いため、テキストとは別に問題集を1冊用意するのが一般的です。
どちらも、今のシラバスに合った版かを最初に確かめてください。古い版では、増えた範囲(生成AIパスポートのRAG・AIエージェント、G検定の法律・倫理など)が足りないことがあります。
勉強の進め方は、生成AIパスポートの勉強方法とG検定の勉強法で説明しています。
ほかのAI・ITの資格との位置関係
生成AIパスポートとG検定のほかにも、目的の近い資格があります。次の資格を考えている人は、2つとの違いも確かめてください。
- E資格(JDLA):ディープラーニングを実装するエンジニア向け。受験には、JDLA認定プログラムの修了が必要。
- DS検定(データサイエンティスト協会):データの分析・活用の基礎。統計や数理の比重がG検定より大きい。
- ITパスポート(IPA):IT全般と経営の基礎を問う国家試験。AIに限らない。
「生成AIパスポートの次の資格」を探している人には、G検定が範囲のつながりで自然です。実装まで進みたい人は、G検定の後にE資格を考えます。
迷ったときの決め方:3つの質問
それでも迷う人は、次の3つの質問に答えてください。
- 半年以内に、生成AIで作った文章や資料を仕事で使うか:「はい」なら生成AIパスポートが先。
- AIの導入や企画、ベンダーとの打ち合わせに関わるか:「はい」ならG検定が先。
- 30〜50時間の勉強時間を、この2か月で取れるか:「いいえ」なら、まず生成AIパスポート。
1と2の両方が「はい」の人は、両方を受ける価値があります。3の答えで、どちらを先にするかを決めてください。
3つとも「いいえ」の人は、今はどちらも急ぐ必要はありません。仕事で生成AIを1つの作業に使ってみて、必要を感じたときに受けても遅くありません。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
生成AIパスポートとG検定の難易度は?
合格率はどちらも約8割(2026年8月の生成AIパスポート81.21%、第5回のG検定76.97%)ですが、範囲が広いG検定のほうが準備の負担は大きくなります。勉強時間の目安は、G検定が30〜50時間、生成AIパスポートが15〜20時間です。
G検定と「AI検定」は違うものですか?
「AI検定」という名前は、いくつかの団体の試験や通称で使われています。G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する「ジェネラリスト検定」のことです。受ける前に、実施団体と試験名を確かめてください。
生成AIパスポートは意味がないって本当ですか?
持っているだけで仕事が決まる資格ではありませんが、生成AIを仕事で安全に使うための基礎を学ぶ目的なら意味があります。会社で全員受験を求める例も増えています。
どちらも履歴書に書けますか?
どちらも合格すれば資格欄に書けます。資格名と合格した時期(例:2026年8月 生成AIパスポート 合格、G検定 2026#5 合格)を書き、学んだことを使った経験を面接で話せるようにしておくと効果的です。
生成AIパスポートの次に受けるならどの資格ですか?
AIのしくみと活用まで学びたいならG検定が自然な次の一歩です。データ分析に進むならDS検定、実装まで進むならG検定の後にE資格を考えます。
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