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パスワードが増えすぎて、スマホのメモや紙のノートに書いている。ほかの人はどうしているのか、このままで大丈夫なのかが気になる人は多いはずです。

この記事では、IPAの調査で分かる「みんなの管理方法」と、2026年9月26日に確認した総務省・Apple・Googleの公式情報をもとに、自分に合う管理方法の選び方と移し方を説明します。

この記事の目次
01

結論:大事なアカウントから、スマホの管理機能に移す

パスワードの管理は、覚えなくても安全に使える方法に移すのが基本です。総務省も、スマホやブラウザの標準の機能や、専用アプリのパスワード保存機能を使うようすすめています。

まずはメール・Apple Account・Googleアカウント・銀行・買い物のアカウントから移しましょう。方法ごとの違いは、表「管理方法ごとの危なさと手間」のとおりです。

管理方法ごとの危なさと手間
方法危なさ向く人・注意
頭で覚える同じものを使い回しやすい数個なら可。長く複雑にしにくい
紙のノート見られる・なくす。ネットからは盗まれない家から出さず、鍵のかかる場所へ
スマホのメモ・表計算漏れた警告がなく、見られると一覧で分かる移すまでの一時的な置き場に
iPhoneのパスワードアプリ端末のパスコードを知られると開かれるiPhone・iPad・Macを使う人
GoogleパスワードマネージャーGoogleアカウントの乗っ取りに弱いAndroid・Chromeを使う人
専用の管理アプリ提供元の選び方と、主パスワードの管理OSやブラウザをまたいで使う人
パスキー対応していないサイトがある対応したサービスから切り替える
02

みんなはどうしてる?調査では「記憶」と「紙」が上位

IPA(情報処理推進機構)が2022年12月にスマホ・パソコンの利用者各5,000人に行った調査があります。買い物やスマホ決済のアカウントでも、「自分で記憶」と「紙にメモ」が上位の2つでした。

結果は、表「買い物・決済のアカウントの管理方法」のとおりです。複数回答で、アカウントを持っている人(スマホ4,726人・パソコン4,764人)の割合です。

買い物・決済のアカウントの管理方法(IPA 2022年度調査・複数回答)
管理方法スマホ利用者パソコン利用者
自分で記憶している50.5%46.0%
手帳などの紙にメモ38.2%43.6%
管理アプリ・管理用の機器16.1%15.1%
アプリのログイン維持機能16.3%選択肢なし
クラウドやブラウザの保存機能11.8%10.1%
メモ帳・Excel(ロックなし)10.1%10.6%
メモ帳・Excel(ロックあり)6.2%6.8%
FIDO認証(パスキーなど)3.5%2.4%
03

調査の数字の読み方と、古くなっている点

管理ツールの「パスワードの自動作成」を使っている人も、スマホ・パソコンともに約36%でした。覚える・書くで何とかしている人が多く、あなただけが遅れているわけではありません。

ただし、多い方法が安全とは限りません。記憶に頼ると、覚えやすい同じパスワードを使い回しがちになります。

また、この調査はiPhoneの「パスワード」アプリ(iOS 18以降)が出る前のものです。IPAの報告書の一覧では2022年度が最新で(2026年9月26日確認)、いまの割合は変わっている可能性があります。

04

危ないのは「使い回し」「推測しやすい」「見える場所のメモ」

総務省の案内から、パスワードの管理で避けたいことを3つにまとめます。

  1. 使い回し:あるサービスから漏れたIDとパスワードで、ほかのサービスへの不正ログインを試す手口が知られています。
  2. 推測しやすいパスワード:IDと同じ文字列、名前・電話番号・生年月日、辞書にある英単語1つ、「123456」のような並びは危険な例です。
  3. 人の目に触れるメモ:画面に貼ったメモや、メールでのやりとりは避けます。紙に書いたときは、鍵のかかる机や金庫にしまいます。

この3つを避けられるなら、管理の方法は1つでなくても構いません。ただ、アカウントが増えるほど、記憶と紙だけでは使い回しを避けにくくなります。

05

紙のノートで管理してもいい?続けるなら守りたい条件

紙のノートは、ネット経由で盗まれない点では安全です。総務省も、やむを得ずメモしたときは、鍵のかかる机や金庫など安全な方法でしまうよう案内しています。

紙で続けるなら、次の3つを守ります。

  1. 家から持ち出さない:手帳に挟んで持ち歩くと、なくしたときにまとめて見られてしまいます。
  2. しまう場所を決める:鍵のかかる引き出しなど、家族以外の目に触れない場所に置きます。
  3. 書く手間で使い回しを増やさない:書くのが面倒で同じパスワードを増やすなら、紙の良さが消えます。

紙だけで何十ものアカウントを管理するのは大変です。紙には、管理機能を開くためのパスワードなど、ごく一部だけを書く使い方が続けやすいです。

06

スマホのメモ帳に書くのは危険?

スマホのメモやExcelに一覧を作るのは手軽ですが、パスワード用の守りがありません。IPAの調査でも、ロックをかけずにメモ帳やExcelで管理している人が約1割いました。

メモのアプリには、漏れたパスワードや使い回しを知らせる機能も、ログイン画面への自動入力もありません。画面を見られると、一覧ごと知られてしまいます。

メモは、パスワードの管理機能へ移すまでの一時的な置き場と考えましょう。移し方は「メモから管理機能に移す手順」の節で説明します。

07

iPhone・Androidに最初から入っている管理機能

いちばん手軽なのは、スマホに最初から入っている管理機能です。新しいアプリを入れずに、保存・自動入力・危ないパスワードの警告まで使えます。

2つの違いは、表「iPhoneとAndroidの標準の管理機能」のとおりです。

iPhoneとAndroidの標準の管理機能
項目iPhone(パスワードアプリ)Android(Googleパスワードマネージャー)
使える条件iOS 18以降AndroidとChromeに組み込み
保存できるものパスワード・パスキー・Wi-Fiのパスワード・確認コードパスワード・パスキー
危ないパスワードの警告推測しやすい・使い回し・漏れたものを警告パスワード チェックアップで確認
ほかの端末で使うiCloudキーチェーンで同期。WindowsはiCloudパスワードGoogleアカウントで同期。iPhoneはChromeを使う
一覧を見る場所パスワードアプリ(Face IDなどで開く)passwords.google.com(再ログインが必要)
08

iPhoneとAndroidで自動入力をオンにする

iPhoneでは、[設定]→[一般]→[自動入力とパスワード]で、[パスワードとパスキーを自動入力]をオンにします。複数のApple製品で同じ一覧を使うなら、iCloudキーチェーンもオンにします。

Androidでは、[設定]で「自動入力サービス」を検索し、「Google」が選ばれているかを確かめます。パソコンのChromeは、Googleアカウントでログインすると、保存したパスワードを同じアカウントの端末で使えます。

iPhoneとWindowsのパソコンを使う人は、Windows用iCloudの「iCloudパスワード」を設定すると、ChromeやEdgeでiPhoneのパスワードを使えます。

反対に、Googleパスワードマネージャーを軸にするなら、iPhoneの自動入力のサービスにChromeを選びます。どちらか一方にまとめると、保存先が分かれずに済みます。

09

自分のパスワードが漏れていないか確かめる

iPhoneでは、パスワードアプリで[セキュリティ]を選ぶと、安全性が低いパスワードや、既知の漏えいで流出したパスワードの一覧が出ます。

Googleパスワードマネージャーでは、「パスワード チェックアップ」が問題のあるパスワードを見つけます。不正に使われたパスワードが見つかると通知が届き、数ステップで変えられます。

一覧に出たものは、メールや銀行など大事なアカウントから順に変えましょう。

10

専用の管理アプリが向く人

家族で違うスマホを使っている人や、Chrome・Safari以外のブラウザが中心の人は、専用のパスワード管理アプリも候補になります。OSやブラウザをまたいで同じ一覧を使いやすいからです。

総務省は、管理ツールを「覚えられる十分に安全なマスターパスワード」や、生体認証などの端末のロックで守るよう案内しています。専用アプリでも、この守りは欠かせません。

選ぶ前に、2段階認証に対応しているか、今の管理機能から読み込めるかを公式サイトで確かめます。まずは標準の機能を使い切るほうが、続けやすいはずです。

11

パスキーに切り替えると、覚えるものが減る

パスキーは、パスワードの代わりに、スマホの指紋認証・顔認証・画面ロックでログインする方法です。Googleのヘルプでは、共有・コピー・書き留めができず、フィッシングへの守りが強くなると説明されています。

Googleアカウントのパスキーは、Android 9以降・iOS 16以降のスマホや、Windows 10以降などのパソコンで使えます。作るのは自分の端末だけにします。端末のロックを解除できる人なら、アカウントに入れてしまうからです。

詳しくはパスキーとは?パスワードとの違い、機種変更のときはパスキーは機種変更でどうなる?で説明しています。

12

スマホとは別の「鍵」を持ちたい人へ

Googleのパスキーは、FIDO2に対応したハードウェアのセキュリティキーでも作れます。USBやNFCでつなぐ小さな鍵で、登録しておけばスマホとは別のログイン手段になります。

向いているのは、メールや仕事のアカウントなど、乗っ取られると困るアカウントを持つ人です。スマホのパスキーで足りている人や、使うサービスがセキュリティキーに対応していない人には必要ありません。

13

メモから管理機能に移す手順

全部を1日で終わらせなくて大丈夫です。大事なアカウントから、次の順番で進めます。

  1. 大事なアカウントを選ぶ:メール、Apple AccountやGoogleアカウント、銀行、よく使う買い物のサイトから始めます。
  2. 管理機能をオンにする:iPhoneは自動入力とiCloudキーチェーン、AndroidはGoogleの自動入力を確かめます。
  3. ログインして保存する:サイトやアプリにログインし、保存するかを聞かれたら[保存]を選びます。
  4. 使い回しを変える:警告の一覧に出たパスワードを、提案された強いパスワードに変えます。
  5. 2段階認証を足す:対応しているサービスでは、2段階認証やパスキーをオンにします。
  6. 古いメモを消す:移し終えたら、メモ・表計算・書き出したファイルを消します。

ほかの管理アプリから移すときは、CSVファイルに書き出してGoogleパスワードマネージャーに読み込めます。読み込んだ後は、CSVのファイルを必ず消します。

14

パスワードは定期的に変えたほうがいい?

漏れた事実がなければ、定期的に変える必要はありません。総務省は、定期的に変えると作り方が単純になったり、使い回しが増えたりするほうが問題だと説明しています。

変えるのは、サービスから漏れたと知らされたときや、管理機能が「漏れたパスワード」と警告したときです。そのときは、同じパスワードを使っているほかのサービスも一緒に変えます。

この考え方は、2017年の米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドラインや、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の案内とも同じだと、総務省は紹介しています。

15

家族とパスワードを共有したいとき

iPhoneのパスワードアプリでは、共有グループを作って、家族や信頼できる人とパスワードやパスキーを共有できます。1つだけ渡すなら、AirDropでも送れます。

家のWi-Fiのパスワードも、Apple製品どうしなら画面の操作で共有でき、実際の文字を教えずに済みます。パスワードをメールやLINEに書いて送るのは避けましょう。

16

今日からできる確認リスト

上から順に確かめて、できたものに印を付けてください。

  • メール・Apple Account・Googleアカウントのパスワードが、ほかと同じでない
  • スマホの管理機能(パスワードアプリかGoogleパスワードマネージャー)をオンにした
  • 警告に出た「使い回し」「漏れた」パスワードを変えた
  • 大事なアカウントで、2段階認証かパスキーを使っている
  • 紙のメモは鍵のかかる場所にあり、画面や机に貼っていない
  • スマホのメモやExcelの一覧は、移した後に消した
  • パスワードをメールやLINEで送っていない
QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

パスワードをスマホのメモ帳に書くのは危険ですか?

パスワード用の守りがなく、見られると一覧で知られるため、おすすめしません。漏れたパスワードの警告や自動入力もありません。iPhoneのパスワードアプリやGoogleパスワードマネージャーに移し、移した後はメモを消しましょう。

iPhoneでパスワードを管理するには?

iOS 18以降は「パスワード」アプリで、パスワード・パスキー・Wi-Fiのパスワード・確認コードをまとめて管理できます。[設定]→[一般]→[自動入力とパスワード]で自動入力をオンにし、複数のApple製品を使うならiCloudキーチェーンもオンにします。

Androidのパスワード管理はどうすればいいですか?

AndroidとChromeには、Googleパスワードマネージャーが最初から組み込まれています。[設定]で「自動入力サービス」を検索し、「Google」が選ばれているかを確かめます。保存したパスワードは passwords.google.com でも見られます。

パスワードはノートに書いて管理してもいいですか?

ネット経由では盗まれませんが、見られたりなくしたりする心配があります。書くなら家から持ち出さず、鍵のかかる机や金庫にしまいます。アカウントが多いなら、管理機能に移すほうが使い回しを避けやすいです。

パスワードは定期的に変えたほうがいいですか?

漏れた事実がなければ、定期的に変える必要はありません。総務省は、定期的な変更で作り方が単純になったり使い回しが増えたりするほうが問題だと説明しています。漏れたと知らされたら、すぐに変えます。

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