LE Audio(エルイー・オーディオ)とは、Bluetoothの低消費電力の通信方式「Bluetooth LE」を使って音を送る、次世代のBluetoothオーディオの規格です。これまでのイヤホンの多くは「クラシック」と呼ばれる方式で音を送っていました。

Auracast(オーラキャスト)は、LE Audioに加わった機能で、1台のスマホやテレビから、台数に制限なくイヤホンやスピーカーへ同じ音を届けられます。

この記事では、2026年9月23日に確認したBluetoothの規格団体(Bluetooth SIG)の公式説明をもとに、変わることと、対応の見分け方を説明します。

この記事の目次
01

結論:LE Audioは「次世代の送り方」、Auracastは「みんなに届ける機能」

Bluetooth SIGによると、LE Audioは、クラシックのBluetoothオーディオと同じ使い方を支えながら、性能を高め、新しい製品や使い方を可能にする次世代のオーディオです。

通信には、低消費電力のBluetooth LEの無線を使います。

Auracastは、LE Audioに加わった機能で、1つ以上の音声を、台数に制限なく受信機器へ放送できます。この節の表「従来のBluetoothオーディオとLE Audioの違い」で、主な違いを確かめてください。

従来のBluetoothオーディオとLE Audioの違い(Bluetooth SIGの公式説明を基に作成)
比べる点従来(クラシック)LE Audio
使う無線Bluetooth クラシックBluetooth LE(低消費電力)
標準のコーデックSBCLC3
音を届ける相手基本は1台のイヤホンAuracastで台数に制限なく放送できる
補聴器補聴器への対応を規格に追加
02

LC3とマルチストリーム:音質と電池持ちの両立

LC3は、LE Audioで使う新しいコーデックです。Bluetooth SIGは、広範な聴き比べのテストで、LC3はSBCより50%低いビットレート(データ量)でも音質が良いと示されたと説明しています。

データ量を減らせるので、メーカーは電池持ちを伸ばすか、電池を小さくしてイヤホンを小型にするかを選べます。

マルチストリームは、スマホなどから、左右のイヤホンのような複数の機器へ、同期した別々の音声を同時に送る機能です。完全ワイヤレスイヤホンの性能や、複数の機器の切り替えのしやすさの向上につながるとされています。

03

Auracastでできること:音の共有、公共の場の音声、聞こえの支援

Bluetooth SIGは、Auracastの使い方として、次の3つの場面を挙げています。

  1. 音の共有:自分が聞いている音を、友人のイヤホンと共有する
  2. 公共の場の音声:音の出ていないテレビの音声を、手元のイヤホンで聞く
  3. 聞こえの支援:補聴器などで、聞こえを支える

つなぎ方として示されているのも、次の3つです。

  1. 検索:Wi-Fiのように、近くの放送を探して選ぶ
  2. スキャン:QRコードを読み取る
  3. タップ:対応機器にタッチする

ペアリング(1台ずつの登録)なしで聞けるのが、従来のBluetoothとの大きな違いです。

04

自分の機器で使えるか:送る側と受ける側の両方を確かめる

LE AudioやAuracastを使うには、音を送る側(スマホ・PC・テレビなど)と、音を受ける側(イヤホン・ヘッドホン・スピーカー・補聴器)の両方が対応している必要があります

片方だけが対応していても、従来のBluetoothでつながります。

対応しているかは、製品の仕様表や箱で「LE Audio」「LC3」「Auracast」の記載を探して確かめます。スマホやPCは、OSのバージョンと本体の両方が関係するため、メーカーの対応情報も確認します。

対応していない組み合わせでも、これまでどおりのBluetoothとして使えるので、今持っているイヤホンが使えなくなるわけではありません

  • イヤホンの仕様表に「LE Audio」「LC3」「Auracast」の記載がある
  • スマホ・PC・テレビの仕様やメーカーの対応情報で、LE Audioの対応を確かめた
  • Auracastを使う場合は、放送する側(スマホやテレビ)の対応も確かめた
05

今イヤホンを買うなら:LE Audio対応は「あれば便利」

LE Audioは、今あるBluetoothイヤホンを置き換えるものではありません。対応した機器どうしでつなぐと、便利な機能が増えます。今のイヤホンで困っていなければ、急いで買い替える必要はありません

買い替えを考えているなら、長く使う前提で「LE Audio」「Auracast」に対応した製品を候補に入れると、今後、対応するスマホや公共の場の放送が増えたときに使える場面が広がります。

音質の感じ方は、コーデックだけでなくイヤホン自体の作りにも左右される点に注意します。

QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

Auracastとは何ですか?

LE Audioに加わった機能で、1台の機器から台数に制限なく、イヤホンやスピーカー、補聴器へ同じ音を放送できます。ペアリングなしで、検索・QRコードのスキャン・タップで聞き始められます。

Bluetooth LE Audioでの接続とは何ですか?

低消費電力のBluetooth LEの無線を使って音を送る、新しい接続の方式です。新しいコーデックのLC3や、複数の機器へ同時に音を送るマルチストリームを使えます。

Auracastに対応しているスマホはどれですか?

機種とOSのバージョンによって違います。スマホの仕様表やメーカーの対応情報で「LE Audio」「Auracast」の記載を確かめてください。受ける側のイヤホンも対応している必要があります。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
LE Audioにすると音はよくなりますか?

Bluetooth SIGは、LC3がSBCより少ないデータ量でも音質が良いというテスト結果を示しています。ただし、実際の聞こえ方はイヤホン本体の作りや、送る側の設定にも左右されます。

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