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パソコンの値上がりとは、2025年末から続くメモリ(DRAM)やSSDなど部品の価格高騰を受けて、新しいパソコンの価格が上がっている状況です。AIのデータセンター向けにメモリの生産が優先され、パソコン向けの部品が足りなくなっていることが大きな原因です。

メーカーや調査会社の見通しでは、値上がりは少なくとも2027年の前半まで続くとされています。

この記事では、2026年9月23日時点で公表されている国内の出荷統計と各社の見通しをもとに、値上がりの規模と、今買うか待つかの判断基準を説明します。

この記事の目次
01

結論:2027年前半までは高止まりの見通し。今必要なら待たない

台湾のPCメーカーAcerの会長は2026年9月、パソコンの価格は10〜12月期にさらに5〜20%上がり、2027年1〜3月期も小幅な上昇が続くとの見通しを示しました(報道による)。

調査会社も、メモリの契約価格は上がり幅こそ小さくなるものの、下がりにくい状況が続くとみています。

このため、「数か月待てば安くなる」とは言いにくい状況です。今のパソコンで困っていない人は様子を見る余地がありますが、すぐに必要な人は、待つほど高くなる可能性も考えて判断します。

02

どれくらい上がった?国内の出荷統計で確かめる

JEITA(電子情報技術産業協会)は、参加するメーカーのパソコンの国内出荷台数と出荷金額を毎月公表しています。金額を台数で割ると、1台あたりの平均の出荷単価が分かります。

計算すると、2026年7月の平均単価は約16万8千円でした。前年の2025年7月は約11万5千円なので、約1.47倍です。4〜6月も12万〜14万円台で推移していて、値上がりがはっきり数字に表れています。

ただし、これはメーカーの出荷の平均で、店頭の販売価格そのものではありません。

2025年はWindows 10のサポート終了前の買い替えで台数が多く、法人向けと個人向けの割合の違いも平均に影響します。8月分は2026年9月29日に公表される予定です。

パソコン1台あたりの平均出荷単価(JEITAの国内出荷実績からPROBEFOLIOが計算)

  1. 2025年7月

    前年同月(逆算)

    11.5 万円
  2. 2026年4月

    560千台・783億円

    14 万円
  3. 2026年5月

    501千台・686億円

    13.7 万円
  4. 2026年6月

    962千台・1,203億円

    12.5 万円
  5. 2026年7月

    474千台・798億円

    16.8 万円
出荷金額÷出荷台数。2025年7月は、2026年7月の値と前年同月比から逆算。単位は万円(小数点第1位まで)。

棒が長いほど、1台あたりの出荷金額が高いことを示します。2026年7月は台数が前年の56.1%に減る一方、金額は82.2%にとどまり、1台あたりの金額が大きく上がりました。

6月は法人向けなど台数の多い月で平均が下がっています。月ごとの上下より、前年同月との差で見るのが確実です。

03

なぜ上がっている?メモリとSSDがAIのデータセンターに回っている

パソコンの値上がりのいちばんの原因は、メモリ(DRAM)とSSDに使う部品の不足です。

生成AIのデータセンター向けに、メモリメーカーが利益の大きいサーバー用やAI用のメモリの生産を優先していて、パソコンやスマホ向けの供給が細っています。

調査会社のGartnerは、2026年末までにDRAMとSSDの合算価格が2025年比で130%上がり、パソコンの価格を17%押し上げると予測しています(PC Watchの報道による)。

部品の値上がりは、単体のメモリの価格にも表れています。

2026年9月23日に楽天市場でノートPC用のDDR5メモリ32GB(16GB×2枚、Crucial CT2K16G56C46S5)を検索すると、出品の多くが7万〜10万円台でした(並行輸入の出品が中心)。

このほか、CPUの供給価格やWindowsのライセンス料の値上げも、完成品の価格を押し上げていると報じられています。

04

いつまで続く?メーカーと調査会社の見通し

見通しは発言者によって幅があります。メーカーは2027年半ばをピークに下がるという「希望」を語る一方、メモリメーカーには不足がさらに長く続くとみる声もあります。

どの予測も確実ではないため、この節の表「値上がりの見通し」は、上がり続ける可能性が高い期間の目安として読んでください。

値上がりの見通し(2026年9月23日時点で公表・報道されたもの)
発言者・調査会社見通し出典
Acer 会長(2026年9月19日)10〜12月期にさらに5〜20%上昇。2027年1〜3月期も続き、ピークは2027年半ば。値下がりは2027年後半からの希望經濟日報の報道(GAZLOG経由)
TrendForce(2026年9月)10〜12月期のDRAM契約価格は上昇幅が縮むが、下落は見込みにくいTrendForce
Gartner(2026年)2026年末までにDRAMとSSDの合算価格が2025年比130%上昇、PC価格を17%押し上げPC Watchの報道
SK hynixメモリ不足は2030年末まで続くとの見方報道(GAZLOG経由)
05

今買ったほうがいい人

今のパソコンが壊れた、仕事や学校ですぐに必要、という人は、待っても安くなる保証がない以上、必要な時期に買うのが基本です。値上がりの中で後悔しにくいのは、メモリを最初から16GB以上にしておくことです。

ノートPCはメモリを後から増やせない機種が多く、単体のメモリも値上がりしているためです。容量の考え方はノートPCのメモリは16GBと32GBどっち?にまとめています。

メーカーの直販サイトでは、型落ちのモデルやアウトレット品、期間限定のクーポンが出ることがあります。スペックを自分で選べる直販なら、メモリやストレージの容量を必要な分だけにして、価格を調整できます。

06

待ってもよい人:Windows 10はESUで時間を作れる

今のパソコンが問題なく動いていて、Windows 11の要件を満たしているなら、買い替えを急ぐ理由はありません。

Windows 10のままの場合も、個人向けの延長サポート(ESU)に登録すれば、2027年10月12日まで重要なセキュリティ更新を受け取れます。登録は無料の方法から選べます。

ESUで時間を作り、必要な性能を見極めてから買えば、値上がりの影響を受ける買い物を減らせます。登録の方法はWindows 10の延長サポート終了はいつ?で説明しています。

ただし、見通しどおりに価格が下がるとは限らないため、待つ期限は自分で決めておきましょう

07

値上がりの中で費用を抑える3つの方法

新品の値上がりが続く中でも、選び方しだいで費用は抑えられます。

  1. 中古・整備済みのパソコンを選ぶ:Windows 11に正式対応したCPUの機種を選べば、新品より安く長く使えます。見分け方は中古パソコンのWindows 11対応を見分ける方法にまとめました。
  2. 構成を用途に合わせて絞る:事務やネットが中心なら、高性能なCPUより、メモリ16GBとSSDの容量を優先したほうが、体感の快適さと価格のバランスが取れます。
  3. 今のPCを長く使う:SSDの状態を確かめ、不要なアプリを整理するだけで、買い替えを先に延ばせることがあります。
QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

パソコンが一番安くなる時期はいつですか?

例年は新モデルが出る前後の型落ちや、年末・決算期のセールが狙い目とされます。ただし2026年はメモリの高騰で価格が上がり続けていて、例年どおりに下がるとは限りません。必要な時期が決まっているなら、その時期のセールやアウトレットを比べるのが現実的です。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
2026年にパソコンはどのくらい値上がりしていますか?

JEITAの国内出荷統計から計算すると、2026年7月の平均出荷単価は約16.8万円で、前年同月(約11.5万円)の約1.47倍でした。Gartnerは、2026年末までにパソコンの価格が17%押し上げられると予測しています(報道による)。

メモリを後から増設すれば、安く済みますか?

単体のメモリも値上がりしているため、安く済むとは限りません。2026年9月23日の楽天市場では、ノートPC用DDR5メモリ32GB(16GB×2枚)の出品の多くが7万〜10万円台でした。ノートPCは増設できない機種も多いので、購入時に必要な容量を選んでおくと安心です。

次の統計はいつ発表されますか?

JEITAの国内出荷実績の2026年8月分は、2026年9月29日10時に公表される予定です。

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