仕事を干されることが、すべてパワハラに当たるわけではありません。ただ、嫌がらせのために仕事を与えない、辞めさせるために誰にでもできる仕事だけをさせる、といった行為は、厚生労働省の指針でパワハラの「過小な要求」の例に挙げられています。
まずは干された理由を確かめ、事実を記録し、必要なら社内外の窓口に相談します。
この記事では、2026年9月24日に確認した厚生労働省の指針と相談窓口の案内をもとに、パワハラに当たるかの見分け方、記録と相談の手順、空いた時間の使い方を説明します。個別の事案の判断は、専門の窓口に相談してください。
この記事の目次
結論:理由を確かめ、事実を記録してから次の手を選ぶ
干されたと感じたときは、感情で動く前に、何が起きているかを事実で確かめます。次の順で進めると、落ち着いて判断できます。
- 理由を聞く:上司に、担当が変わった理由と、今期待されていることを聞く。
- 事実を記録する:いつ、誰から、何を外されたか、何を言われたかを書き留める。
- パワハラに当たりそうか確かめる:厚生労働省の指針の例と照らし合わせる。
- 相談先を決める:社内の相談窓口、総合労働相談コーナーなど。
理由が分かれば、多くは次の手が決まります。分からないまま一人で抱え込まないことが大切です。
パワハラの「過小な要求」に当たる例・当たらない例
厚生労働省の指針は、職場のパワハラの代表的な言動を6つの類型で示しています。そのうち「過小な要求」は、業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないことです。
会議から外される、無視されるといった場合は、「人間関係からの切り離し」の類型も関係します。表「指針に書かれている例」で、当たる例と当たらない例を確かめます。
ただし指針は、個別の事案の状況によって判断が異なる場合があること、例がすべてではないことも書いています。当てはまるか迷うときは、相談先で確かめましょう。
| 類型 | 当たると考えられる例 | 当たらないと考えられる例 |
|---|---|---|
| 過小な要求 | 管理職を退職させるため、誰にでも遂行できる業務を行わせる | 能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減する |
| 過小な要求 | 気に入らない労働者に、嫌がらせのために仕事を与えない | ― |
| 人間関係からの切り離し | 意に沿わない労働者の仕事を外し、長期間別室に隔離する | 新しく採用した人を育てるため、短期間集中的に別室で研修する |
| 人間関係からの切り離し | 同僚が集団で無視し、職場で孤立させる | 処分を受けた人に、復帰の前に一時的に別室で研修を受けさせる |
パワハラ以外の理由も確かめる:配置・評価・人間関係
担当が減ったのは、会社の事情や、負担を減らすための判断かもしれません。指針でも、能力に応じて業務量を軽減することは、過小な要求に当たらない例として挙げられています。
- 配置の変更:部署の方針が変わり、担当が組み替えられた。
- 評価や信頼の問題:ミスや報告の遅れが続き、任せにくいと思われている。
- 人間関係のこじれ:上司との関係が悪くなり、仕事が回ってこない。
- 退職を促す意図:辞めさせるために、仕事を取り上げている。
1や2なら、話し合いで取り戻せることがあります。4の疑いがあるときは、記録を残して相談します。
記録の残し方:日付・言われたこと・外された仕事を具体的に
相談するときに役立つのは、日付の入った具体的な記録です。記憶が新しいうちに、その日のうちに書き留めます。
指示がメールやチャットで来た場合は、そのまま保存しておきます。会話の録音は、職場の決まりや状況によって扱いが変わることもあるため、迷うときは相談先に確かめてから判断すると安心です。
- 日付・時間・場所
- 誰が、何を言ったか・したか(言葉はできるだけそのまま)
- 外された仕事の内容と、その前後の担当
- その場にいた人
- 体調の変化(受診した場合はその記録)
相談先:社内の窓口と、総合労働相談コーナー
厚生労働省の指針では、会社にパワハラの相談窓口を設けるなどの対応を求めています。まずは社内の相談窓口に相談できます。
社内に話しにくいときは、総合労働相談コーナーに相談できます。各地の労働局や労働基準監督署などにあり、無料・予約不要で、いじめ・嫌がらせやパワハラの相談も受け付けています。
退職を強く勧められたときは、その場で返事をせず、相談先に相談してから決めても遅くありません。
空いた時間を次につなげる:取り戻す・学ぶ・社外を知る
仕事が減った時間はつらいものですが、次の準備にも使えます。
- 今の職場で取り戻す:担当できそうな仕事を、自分から上司に提案する。
- 学ぶ:資格の勉強や、仕事で使うツールの練習を進める。
- 社外の評価を知る:職務経歴を書き出し、求人を見てみる。
社外に目を向けるのが怖いときは転職が怖くて動けない人へを、辞めると決めたときは仕事を辞めたいけど辞められない人へを参考にしてください。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
仕事で「干される」とはどういう意味ですか?
仕事を与えられない、担当や会議から外される、誰にでもできる仕事だけを回されるなど、職場で役割を減らされる状態を指して使われる言葉です。理由は配置の変更から嫌がらせまでさまざまです。
仕事を干されたときの対処法は?
まず上司に理由を聞き、日付入りで事実を記録します。厚生労働省の指針の「過小な要求」の例に当たりそうなら、社内の相談窓口や総合労働相談コーナーに相談しましょう。
仕事のメンタルが限界に達したサインは?
眠れない、食欲がない、休日も職場のことが頭から離れないといった状態が続くなら、無理を重ねないでください。医療機関への相談を優先し、職場のことはその後で決めても遅くありません。
仕事を干されるのはパワハラですか?
嫌がらせのために仕事を与えない、退職させるために誰にでもできる業務を行わせるといった行為は、厚生労働省の指針で「過小な要求」の例に挙げられています。能力に応じた業務量の軽減は当たりません。
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出典と、この記事について
公式資料や、記事で参照した発表・報道をまとめています。仕様や料金は、利用する前に最新の案内をご確認ください。
- 厚生労働省:職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内(新しいタブで開きます)
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