仕事を辞めたいのに辞められない主な理由は、人手不足で迷惑がかかる、引き止められる、お金が不安、の3つです。ただ、正社員など期間の定めのない雇用なら、退職を申し出てから2週間で雇用契約は終わります。
厚生労働省の案内では、会社が認めなくても2週間たてば終わると説明されています。お金の面でも、2025年4月からは自己都合で辞めた場合の失業給付の給付制限(受けられない期間)が、原則1か月に短くなりました。
この記事では、2026年9月24日に確認した厚生労働省とハローワークの情報をもとに、辞める順番、言い出し方の例文、相談先を説明します。個別の事情の法的な判断は、専門の窓口に相談してください。
この記事の目次
結論:辞めるのは働く人の自由。順番を決めて伝える
辞められない理由の多くは、決まりを知らないことと、言い出しにくさです。先に決まりを知り、順番を決めると動きやすくなります。
- お金の見通しを立てる:失業給付の条件と、次が決まるまでの生活費を確かめる。
- 就業規則を確かめる:退職を申し出る時期や手続きの決まりを読む。
- 退職日を決めて伝える:直属の上司に、口頭と、日付が残るメールなどで伝える。
- 引き継ぎを準備する:担当業務の一覧と手順を残す。
心身の不調が強いときは、この順番にこだわらず、まず休むことを優先してください。
正社員などは、退職を申し出てから2週間で辞められる
厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、期間の定めのない雇用は、退職を申し出てから2週間で雇用契約が終わると説明しています(民法627条1項)。会社が認めなくても、2週間たてば終わります。
就業規則に「1か月前までに申し出る」などの決まりがあれば、それも確かめます。引き継ぎのために、できる範囲で合わせると円満に進みやすくなります。
契約社員など期間の定めのある雇用は、やむを得ない事由があるときに辞められます。契約期間が1年を超える場合は、1年を過ぎた後ならいつでも退職できます(一定の場合を除く)。
| 雇用の形 | 辞められる時期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間の定めのない雇用(正社員など) | 申し出から2週間 | 民法627条1項 |
| 期間の定めのある雇用(契約社員など) | やむを得ない事由があるとき | 民法628条 |
| 期間の定めのある雇用で、契約期間が1年を超える | 1年を過ぎた後はいつでも(一定の場合を除く) | 労働基準法137条 |
お金の不安:自己都合で辞めても給付制限は原則1か月
失業給付(雇用保険の基本手当)は、辞めた日以前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が通算12か月以上あると受けられます。倒産・解雇などの場合は、1年間に6か月以上です。給付日数は90〜360日です。
2025年4月1日以降に自己都合で辞めた場合、給付を受けられない期間(給付制限)は、原則2か月から1か月に短くなりました。ただし、5年間に3回以上自己都合で辞めた場合は3か月です。
手続きは住所地のハローワークで行います。辞める前に、次が決まるまでの生活費を、家賃・食費・保険料・税金に分けて月いくらかを計算しておきます。
言い出し方の例文と、引き止められたときの返し方
伝える相手は直属の上司です。忙しい時間を避け、「少しお時間をいただけますか」と個別に時間をもらいます。
理由は短く、前向きな言い方で十分です。不満を並べると引き止めの材料になりやすいため、「決めたこと」として伝えます。引き止められたときの返し方は、次の3つを用意しておきます。
- 「人が足りない」と言われたら:「引き継ぎの資料を用意し、退職日まで責任を持って引き継ぎます」。
- 「給料を上げる」と言われたら:「ありがとうございます。条件ではなく決めたことなので、気持ちは変わりません」。
- 「もう少し考えて」と言われたら:「十分に考えて決めました。退職日は◯月◯日でお願いします」。
引き継ぎは「分かる形で残す」まででよい
人手不足は会社が解決する問題で、辞める人が埋め続ける必要はありません。ただ、引き継ぎを分かる形で残すと、退職日までの話が進みやすくなります。
資料の作り方は、引き継ぎ資料の作り方とテンプレートで記入例つきで紹介しています。
- 担当業務の一覧を作った
- 毎月・毎週の作業の手順を書いた
- 取引先や社内の関係者の連絡先をまとめた
- 共有フォルダやファイルの置き場所を書いた
辞めさせてもらえないときの相談先
退職を申し出たのに認めない、退職届を受け取らない、嫌がらせを受けるといった場合は、総合労働相談コーナーに相談できます。各地の労働局や労働基準監督署などにあり、無料・予約不要です。
申し出た日が後で分かるように、口頭で伝えた後にメールなど日付の残る方法でも送っておきます。心身の不調で限界に近いときは、仕事より体を優先し、医療機関への相談も考えましょう。
次の仕事が怖くて踏み出せないときは、転職が怖くて動けない人へで、辞めずに試せる手順をまとめています。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
仕事をやめたほうがいいサインは?
眠れない、食欲がない、休日も仕事のことが頭から離れないといった状態が続くなら、無理を重ねないでください。まず休むことと、医療機関への相談を優先し、辞めるかどうかはその後で決めても遅くありません。
会社が辞めさせてくれないときはどうすればいいですか?
期間の定めのない雇用なら、退職を申し出てから2週間で雇用契約は終わります。会社が認めない、退職届を受け取らないといった場合は、総合労働相談コーナーに無料で相談できます。
ヤメハラとは何ですか?
退職を申し出た人への強い引き止めや嫌がらせを指して使われる言葉で、法律上の言葉ではありません。退職を認めない、嫌がらせを受けるといった場合は、総合労働相談コーナーに相談できます。
次が決まっていないのに辞めても大丈夫ですか?
生活費の蓄えと失業給付の条件によります。雇用保険に入っていた期間が辞める前の2年間で通算12か月以上あれば、自己都合でも給付を受けられます。受けられない期間(給付制限)は原則1か月なので、その間の生活費も月単位で計算してから決めましょう。
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出典と、この記事について
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- 厚生労働省 確かめよう労働条件:退職(新しいタブで開きます)
- ハローワークインターネットサービス:基本手当について(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省:令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内(新しいタブで開きます)
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