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アサーティブな伝え方は、相手の考えや事情を尊重しながら、自分の意見や要望も適切に伝える方法です。厚生労働省「こころの耳」も、相手を尊重しつつ自分の気持ちや考えを伝える方法として説明しています。
丁寧に話せば必ず承諾される、という技法ではありません。職場の3場面で、言い出し方だけでなく、相手が承諾・拒否・保留した後にどう話し、どんな確認を残すかまで見ていきます。人物と会話は架空です。
この記事の目次
事実・自分の考え・要望・選択肢に分ける
「あなたは無茶を言う」では、相手の人格の話になります。「今日、確認項目が3つ追加された」「木曜までに全項目を確認するのは難しい」「金曜まで延ばしたい」と、自分が把握していることと要望を分けます。
順番を暗記するより、相手が判断するための情報があるかを確認してください。選択肢は実行できるものだけを出します。自分に決める権限のない納期や範囲を、すでに決定したことのように伝えません。
| 内容 | 期限変更の架空例 |
|---|---|
| 事実 | 本日、資料に確認項目が3つ追加された |
| 自分の考え・影響 | 今の範囲のまま木曜までに確認を終えるのは難しい |
| 要望 | 全体の提出を金曜に変更したい |
| 選択肢 | 木曜なら既存範囲のみ先に提出し、追加分は金曜にする |
| 確認 | どちらで進めるか。難しければ優先順位を相談する |
例文1:会議で反対意見を出す
例:「費用を抑える目的には賛成です。ただ、今日の資料では導入後の保守費が未確認なので、総額で判断するのはまだ難しいと考えています。保守費を確認してから決めるか、今回は試行範囲だけ決める進め方はどうでしょうか」。
賛成できる点が本当にあれば伝えますが、無理に褒める必要はありません。相手の案を全否定せず、どの条件に異論があり、何を確認したいかを明確にします。「みんなも反対」と、自分が確認していない他人の意見を借りないでください。
例文2:上司へ期限変更を依頼する
美咲:「本日追加された3項目を確認すると、木曜の全体提出は難しい見込みです。全体を金曜へ変更するか、木曜は既存範囲のみ先に提出したいです。どちらで進めるのがよいでしょうか」。
相手が「金曜でよい」と承諾したら、「ありがとうございます。全体は金曜、木曜は進捗のみ共有します。依頼先への期限変更は私から連絡してよいですか」と、何が変更されたかと外部への連絡権限を確かめます。返事の「了解」を、自分のすべての提案への同意とは決めつけません。

代案も断られたら、優先順位の判断を依頼する
上司:「どちらも無理。木曜に全部必要」。美咲:「木曜に全体が必要なのですね。今の作業量では確認が終わらないため、別の担当へ追加確認をお願いするか、私の別案件を後へ移す必要があります。どちらを先にするか相談させてください」。
実行できないのに承諾すると、後で品質や期限の問題になります。支援も範囲調整もできないなら、未解決の条件を記録し、判断を担当する責任者へ相談します。自分だけで残業を約束したり、確認を省いてよいと解釈したりしません。

保留されたら、いつまでに何を決めるか確認する
上司:「ちょっと考える」。美咲:「承知しました。作業の着手順を決める必要があるので、本日15時までに確認できますか。それまでは既存範囲を進める理解でよいでしょうか」。
時間は相手の都合も聞き、勝手に締切を設定しません。返事がない場合の連絡先や、取り返しがつく範囲で進める内容も相談します。沈黙は承諾ではないため、待っている状態と決定した状態を分けてください。

例文3:同僚の依頼へ、自分の対応範囲を伝える
同僚:「今日中にこの資料も作って」。自分:「今日は合意した提出物があり、この資料を今日中に作ることはできません。構成の確認なら15分取れます。作成は明日午後以降なら相談できます」。
相手:「少しでいいから全部やって」。自分:「少しだけ確認することと、全体を作ることは分けたいです。今日は構成の確認までで、作成は引き受けられません。期限が動かせないなら、担当を決める方へ相談しましょう」。
断る理由を延々説明して説得するより、対応できる範囲を具体的に伝えます。

| 元の言い方 | 伝え直す例 |
|---|---|
| いつも私ばかり。自分でやって。 | 今日は自分の提出物があり、作成は引き受けられません。確認なら15分可能です |
| 分かりました(実行できない) | その期限では全体は難しいです。範囲か担当を相談させてください |
| それは絶対に間違いです | その条件では費用が未確認なので、私はまだ判断できません |
| 何でもいいです(異論がある) | 目的は賛成です。保守費だけ確認してから決めたいです |
会話の後は、合意と未決定を短く残す
話した内容は、自分の依頼と相手の承諾を区別して確認します。納期、範囲、担当、次の確認が重要です。長文の議事録で相手を圧迫する必要はなく、誤解しやすい条件を短くそろえます。
例:「本日の確認です。全体提出は金曜、木曜は既存範囲の進捗共有。追加確認は美咲、依頼先への連絡は森さんから。別案件の期限は変更なし。認識違いがあればお知らせください」。未決定なら「担当変更は未決定、本日15時に再確認」と書きます。
言い方で解決しない相手や状況もある
脅し、差別、報復の心配、危険がある場面で、本人に対話の練習を強制しないでください。やり取りを安全に残し、社内の相談窓口や人事、信頼できる責任者へ相談します。伝え方を工夫しても、相手の反応や業務条件をすべて変えられるわけではありません。
他者の行動の良かった点・改善点を話す場合はフィードバックの会話例が別の用途です。この記事は、自分の意見、要望、引き受けられる範囲を伝えるための例として使ってください。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
柔らかく話せばアサーティブ?
声の柔らかさだけではありません。相手を尊重しながら、自分の考えや要望、対応できる範囲も明確に伝えることが大切です。
必ず代案を出す必要がある?
実行できる案があれば示せますが、ないのに作る必要はありません。引き受けられない範囲を伝え、必要な判断先へ相談します。
断られなくなる?
承諾の保証ではありません。断られた場合も、理由や条件を確かめ、実行できない約束をせず次の対応を決めるための方法です。
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