昇進の打診を断ることは、珍しいことではありません。正式な辞令の前の打診の段階なら、理由と代わりにできることを伝えれば、関係を壊さずに断れることが多いです。
ただし、断った後は昇給のペースや任される仕事が変わることがあります。後悔しないためには、断る前に会社の制度と自分の条件を確かめることが大切です。
この記事では、2026年9月24日に確認した法令と調査をもとに、判断の手順、段階別の例文、断った後に変わることを説明します。辞令を断った場合の扱いは会社の就業規則によって違うため、断る前に確かめてください。
この記事の目次
結論:断る前に4つを確かめ、打診の段階で伝える
昇進を断るかどうかを気持ちだけで決めると、後で後悔しやすくなります。次の4つを確かめてから決めます。
- 断る理由がはっきりしているか:責任・時間・専門を続けたい・家庭などの事情のどれか。
- 給与の差:昇進した場合と断った場合で、年収がどれくらい変わるか。
- 次の機会があるか:断った後に、もう一度打診される制度や慣習があるか。
- 会社の決まり:就業規則や人事制度で、昇進の辞令を断った場合の扱いがどうなっているか。
断ると決めたら、正式な辞令の前、打診の段階で伝えるのが一番角が立ちません。
昇進を断っただけで解雇されるのか:法律で見る
昇進は、多くの会社で人事の決定として行われます。打診の段階で辞退を伝えることはできますが、辞令が出た後に拒んだ場合の扱いは、就業規則や人事制度によって違います。
一方で、解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない場合は無効とされています(労働契約法16条)。昇進を断ったことだけで解雇が認められるかは個別の事情で判断されます。
会社から不利な扱いをほのめかされて不安なときは、総合労働相談コーナーに無料・予約不要で相談できます。
断り方の例文:打診の段階と、内示の後で言い方を変える
打診の段階なら、辞退を伝えても会社の計画への影響は小さく済みます。内示の後は手続きが動き始めているため、事情を具体的に伝え、上司と人事の両方に相談します。
打診の段階の短い言い方は、「お声がけいただき、ありがとうございます。今回は、専門の仕事に集中したいため、辞退させてください」です。代わりに引き受けられることを一言添えます。
| 段階 | 伝え方のポイント |
|---|---|
| 打診(非公式に聞かれた) | お礼を言い、理由を1文で。代わりにできることを添える |
| 内示(辞令の前に知らされた) | すぐに上司に時間をもらい、事情を具体的に伝えて人事の判断を仰ぐ |
| 辞令の後 | 断れるかは会社の決まり次第。事情が変わった場合は上司と人事に相談する |
断った後に変わりやすいことを表で確かめる
断った後も雇用が続く点は変わりませんが、給与の伸び方や任される仕事は変わることがあります。表「昇進を断った後に変わりやすいこと」で、会社ごとに確かめる点をまとめました。
評価を守るには、今の仕事の成果を数字で示し、代わりに引き受けた仕事をやり切ることです。「意欲がない」と見られないよう、次の目標を上司と話しておきます。
| 項目 | 変わりやすいこと | 確かめること |
|---|---|---|
| 給与 | 役職手当がない分、年収の伸びが遅くなることがある | 等級と給与の表、専門職コースの有無 |
| 評価 | 成果の伝え方しだいで、意欲の見られ方が変わる | 評価の基準と、次の面談の時期 |
| 仕事の内容 | 後輩の指導など、役職なしで任される仕事が増えることがある | 任される範囲と、その評価のされ方 |
| 次の打診 | しばらく声がかからないことがある | もう一度打診される時期や条件 |
後悔しやすいのは、理由と給与の差があいまいなまま断ったとき
後悔しやすいのは、次のような場合です。
- 一時的な理由で断った:忙しい時期だった、上司と合わなかったなど、1年後には変わる理由だった。
- 給与の差を知らずに断った:役職の有無で、年収がどれだけ違ってくるかを確かめなかった。
- 社内に他の道がなかった:専門職コースがなく、給与が上がる道が役職しかなかった。
逆に、理由がはっきりしていて、専門で評価される道が社内外にあるなら、断っても後悔しにくいでしょう。英国の調査では、Z世代の72%が「人を管理するより、個人の成長の道を選ぶ」と答えています(Robert Walters、2024年)。
断った後の道:社内の専門職コースと、社外での評価を確かめる
断った後も、成長の道は残っています。社内に専門職コースがあれば条件を確かめ、ない場合は社外で自分の経験がどう評価されるかを知っておくと安心です。
管理職を避けたい理由ごとの選び方は、管理職になりたくないのは甘え?で3つの道に分けて説明しています。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
昇進を拒否する正当な理由は?
法律で「正当な理由」が決まっているわけではありません。伝わりやすいのは、健康や家庭の事情、専門の仕事で成果を出したいなど、事実に基づく理由です。代わりに引き受けられることを添えると、意欲がないと受け取られにくくなります。
昇進したくない人はどれくらいの割合ですか?
パーソル総合研究所の調査では、今の会社で管理職になりたい人は2026年に15.7%でした。裏返すと、多くの人は管理職を目指していません。英国でも、Z世代の52%が中間管理職になりたくないという調査があります。
昇進を断ったら解雇されますか?
解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない場合は無効です(労働契約法16条)。断ったことだけで解雇が認められるかは個別の事情で判断されるため、不安なときは総合労働相談コーナーに相談しましょう。
昇進しないほうがいい人は?
給与や時間の条件を確かめても気持ちが変わらない人、健康や家庭の事情で働く時間を増やせない人、専門の仕事で評価される道がある人は、無理に受けなくてよいでしょう。
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出典と、この記事について
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- e-Gov法令検索:労働契約法(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内(新しいタブで開きます)
- パーソル総合研究所:働く10,000人の就業・成長定点調査(今後どのようなキャリアを考えていますか?)(新しいタブで開きます)
- Robert Walters:Conscious unbossing(英国のZ世代の調査)(新しいタブで開きます)
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