管理職を辞めたいと感じたら、選べる道は「役職を降りる」「部署を異動する」「転職する」の3つです。役職を続けながら負担を減らす道もあります。

辞めたいと感じるのは甘えではありません。産業能率大学の2023年の調査では、上場企業の課長の94.9%が、自分はプレイングマネジャーだと答えています。負担が重いのは、役割の作りの問題でもあります。

この記事では、2026年9月24日に確認した厚生労働省の資料や法令、調査をもとに、3つの道の比べ方、降格の申し出方、続ける場合の負担の減らし方を説明します。

この記事の目次
01

結論:休むべき状態かを確かめてから、3つの道を比べる

まず、今すぐ休むべき状態かを確かめます。眠れない、食欲がない、休日も仕事が頭から離れない状態が続くなら、道を選ぶより先に休むことと、医療機関への相談を優先してください

休めば持ち直せそうなら、次の3つの道を比べます。

  1. 役職を降りる:同じ会社で降格を申し出て、プレイヤーに戻る。
  2. 部署を異動する:管理の負担が小さい部署や、専門の仕事に移る。
  3. 転職する:役職のない専門職として、別の会社で働く。

このほかに、役職を続けながら、手放す仕事と会議を減らして負担を軽くする道もあります。

02

3つの道と「続ける」を、給与と働き方で比べる

表「管理職を辞めたいときの選び方」で、それぞれの道の変化と向いている人をまとめました。自分の辛さの原因が「役割」「部署」「会社」のどこにあるかで、選ぶ道が変わります。

役職を降りて管理監督者の扱いが外れると、労働時間の決まりが適用され、残業代の対象に戻ります。厚生労働省の資料では、管理監督者は経営者と一体的な立場にある人で、労働時間などの決まりが適用されない人です。

管理職を辞めたいときの選び方
給与・働き方の変化向いている人
役職を降りる役職手当がなくなる。管理監督者だった場合は残業代の対象に戻る会社や仲間は好きで、管理の役割だけが合わない人
部署を異動する異動先の役職と仕事の中身しだい今の部署の業務量や人間関係が主な原因の人
転職する年収は交渉しだいで、上がることも下がることもある社内に専門で評価される道がない人
続けて負担を減らす給与は変わらない担当範囲を見直せば続けられそうな人
03

辛いのは能力だけの問題ではない。管理職の負担が増える背景

管理職が辛いのは、能力が足りないからとは限りません。産業能率大学の2023年の調査では、上場企業の課長の94.9%が、自分はプレイングマネジャーだと答えています。

管理職そのものを減らす動きもあります。Amazonは2024年9月、管理職1人あたりの担当者の比率を2025年3月末までに15%以上高める方針を社員に示しました。1人が見る人数が増えれば、負担も増えます。

自分を責める前に、担当している仕事と範囲を書き出すと、どこに無理があるかが見えてきます。

04

降格を申し出るときは「どの役割なら力を出せるか」を伝える

役職を降りるには、会社の判断が必要です。まず直属の上司に理由と希望を具体的に伝え、人事の制度として役職を外れられるかを確かめます。

伝えるときは、「逃げたい」ではなく「どの役割なら力を出せるか」を話します。給与が下がることを受け入れる考えも、先に伝えておくと話が進みやすくなります。

労働条件は、働く人と会社の合意で変えられます(労働契約法8条)。役職や給与が変わる場合は、変わる内容と時期を書面で確かめておきます。

05

続けるなら:手放す仕事を決め、会議と資料の時間を減らす

続ける場合は、全部を自分で抱えないことが大切です。プレイヤーとしての担当のうち手放せるものを決め、会議と資料の時間を減らします。

手放し方はプレイングマネージャーはダメなのかで、議事録を短くするコツは議事録が苦手なら全部は書かないで説明しています。

  • 自分でなくてもできる担当業務を、ほかのメンバーに渡した
  • 定例の会議を、なくすか短くした
  • 議事録や資料は、型を決めて下書きの時間を減らした
  • 担当範囲の見直しを、上司に相談した
06

辞めるのは無責任? 引き継ぎを残せば責任は果たせる

管理職が辞めるのは無責任だと感じて、踏み出せない人もいます。役職を降りるにも会社を辞めるにも、引き継ぎを分かる形で残せば、役割の責任は果たせます。

引き継ぎ資料は引き継ぎ資料の作り方とテンプレートを参考にしてください。会社を辞める場合の決まりと伝え方は、仕事を辞めたいけど辞められない人へで説明しています。

QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

管理職から降格してもらうにはどうすればいいですか?

直属の上司に、理由とどの役割なら力を出せるかを具体的に伝え、人事の制度で役職を外れられるかを確かめます。労働条件は会社との合意で変えられるため、給与や役職が変わる内容と時期は書面で確かめておきましょう。

管理職を辞めるのは無責任ですか?

役職を降りたり会社を辞めたりすることは、働く人が選べることです。担当業務と手順を分かる形で引き継げば、役割の責任は果たせます。心身の不調があるときは、無理を続けないでください。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。
役職を降りると給料はどれくらい下がりますか?

会社の給与の決まりしだいで、多くは役職手当の分が減ります。管理監督者として扱われていた場合は、降りると残業代の対象に戻るため、残業の多い部署では差が小さくなることもあります。給与の表と残業代の扱いを人事に確かめましょう。

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