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起業の「失敗する確率」を示す公的な統計はありません。ただ、国の統計では2023年度の開業率と廃業率はどちらも3.9%で、始める会社と同じくらいの割合で、事業をやめる会社があります。

日本政策金融公庫の2025年度の調査では、開業まもない企業の33.0%が赤字基調でした。失敗の多くは、資金繰りと、売れる見込みの確かめ不足から起きます。

この記事では、2026年9月24日に確認した中小企業白書や日本政策金融公庫の調査、中小企業庁の資料をもとに、失敗の実態、主な原因、始める前に失敗を想定して手を打つ方法を説明します。

この記事の目次
01

結論:失敗の多くは資金繰りと需要の確かめ不足。始める前に潰せる

起業の失敗は、運ではなく準備で減らせるものが多くあります。特に多いのは、お金が先に尽きることと、売れる見込みを確かめないまま始めることです。

  1. 資金が先に尽きる:売上が立つまでの生活費と運転資金を少なく見積もる。
  2. 売れるか確かめていない:買ってくれる人がいるかを、作る前に確かめていない。
  3. 固定費を最初から大きくする:店舗や人を先に増やし、売上が追いつかない。

この3つは、始める前に「1年後に失敗した」と仮定して原因を洗い出すと、多くを事前に潰せます。

02

公的データで見る実態:開業率も廃業率も3.9%

中小企業白書2025年版では、2023年度の開業率は3.9%、廃業率も3.9%でした(雇用保険の事業所の数から計算)。2024年の倒産件数は10,006件です。

休廃業・解散した企業は約7万件で、そのうち51.1%は黒字でした。事業をやめる理由は、赤字だけではありません。

日本政策金融公庫の2025年度の調査では、開業まもない企業の67.0%が黒字基調、33.0%が赤字基調でした。予想していた月の売上を達成した企業は、約6割です。

起業と廃業に関する公的な数字
指標数字出典
開業率(2023年度)3.9%中小企業白書2025年版
廃業率(2023年度)3.9%中小企業白書2025年版
倒産件数(2024年)10,006件中小企業白書2025年版
休廃業・解散のうち黒字の割合51.1%中小企業白書2025年版
開業まもない企業の赤字基調33.0%日本政策金融公庫(2025年度)
03

お金の失敗を防ぐ:開業費用の中央値は600万円。運転資金は別に見る

日本政策金融公庫の同じ調査で、開業費用は平均975万円、中央値600万円でした。平均は大きな金額の開業に引っ張られるため、中央値のほうが実感に近い数字です。

開業費用とは別に、売上が安定するまでの運転資金と生活費が要ります。売上がゼロでも何か月もつかを、次の順で計算しておきます。

  1. 毎月の固定費を書き出す:家賃、人件費、借入の返済、通信費など。
  2. 生活費を足す:家族の生活費、保険料、税金。
  3. 何か月もつかを出す:手元の資金を、毎月の支出の合計で割る。

開業費用の平均と中央値(2025年度)

  1. 平均

    大きな金額の開業に引っ張られやすい

    975 万円
  2. 中央値

    真ん中の企業の金額

    600 万円
日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」(2026年9月24日確認)。公庫が融資した、開業まもない企業が対象です。

平均と中央値の差は375万円です。自分の計画と比べるときは、中央値を目安にし、運転資金と生活費は別に見積もります。

04

始める前に「失敗した前提」で考える10の質問

計画を立てたら、「1年後にこの事業は失敗した」と仮定して、原因を先に書き出します。この方法は、ゲイリー・クラインが2007年にハーバード・ビジネス・レビューで「プレモーテム」として紹介したものです。

出てきた原因ごとに、始める前に打てる手を決めます。特に撤退ライン(やめると決める条件)を先に決めておくと、失敗が大きくなる前に止められます。

05

失敗したらどうなる?借入と経営者保証を先に確かめる

失敗したときに一番影響が大きいのは、借入の返済です。中小企業庁によると、経営者保証は、会社が融資を受けるときに経営者個人が連帯保証人になることで、会社が返せなくなると、経営者個人が代わりに返済を求められます。

一方で「経営者保証に関するガイドライン」では、会社と経営者のお金が分かれている、会社だけで返済できる、財務情報を適切に開示しているといった条件を満たすと、保証なしで融資を受けられる可能性があるとしています。

借りる前に、保証の有無と条件を確かめます。個人事業の場合は、事業の借入もそのまま個人の借入です。

06

失敗を小さくする始め方:会社員のまま小さく試す

失敗の影響を小さくするには、会社員のうちに小さく試すのが近道です。副業として売ってみて、客がつくことを確かめてから独立すれば、資金が尽きる心配を減らせます。

具体的な手順は起業が怖い人へで、誰に売るかの決め方はICPとは?ペルソナとの違いと「誰に売るか」の決め方で紹介しています。

始めた後に1人で抱え込まないよう、相談先も先に決めておきます。無料の公的な相談先は、経営者の孤独がつらいときの相談先にまとめています。

QUICK ANSWERS

よくある疑問を、ここで。

使い始める前に、気になるところから。

起業に失敗する確率は?

起業の失敗率を示す公的な統計はありません。参考として、中小企業白書2025年版では2023年度の廃業率が3.9%、日本政策金融公庫の2025年度の調査では開業まもない企業の33.0%が赤字基調でした。

起業に失敗したらどうなりますか?

一番影響が大きいのは借入の返済です。会社の借入に経営者個人が連帯保証人になっていると、会社が返せない分の返済を個人で求められます。借りる前に保証の条件を確かめましょう。

起業して成功しやすい年齢はありますか?

成功しやすい年齢を示す公的な統計は見当たりませんでした。参考として、日本政策金融公庫の2025年度の調査では、開業したときの平均年齢は43.9歳です。年齢より、資金と売れる見込みを確かめてから始めることが大切です。

起業しなければよかったと後悔しないためには?

始める前に撤退ラインを決めておくことです。売上や手元の資金が決めた条件を下回ったらやめると決めておけば、失敗が大きくなる前に止められます。

この記事の内容をもとにした、編集部からの提案です。

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