この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
NPU(Neural Processing Unit、ニューラル プロセッシング ユニット)は、AIの計算を専門に、少ない電力で速く処理するためのプロセッサーです。
CPUやGPUと同じチップの中に組み込まれていることが多く、Windowsでは会議の背景ぼかしや字幕の翻訳など、PCの中で動くAI機能の計算に使われます。一方、ブラウザで使うChatGPTなどのAIは運営会社のサーバーで動くため、NPUがなくても使えます。
この記事では、2026年9月23日に確認したMicrosoftと各プロセッサーメーカーの公式情報をもとに、NPUの役割、性能の読み方、NPU搭載のAIパソコンが必要な人を説明します。
この記事の目次
結論:NPUは「AI専用の計算係」。ブラウザのAIだけなら不要
NPUは、AIが使う大量の掛け算と足し算(行列の計算)を、CPUやGPUより少ない電力でこなす部品です。スマートフォンでは数年前から写真の補正などに使われていて、ここ数年でパソコンにも広がりました。
NPUが働くのは、PCの中で動くAIだけです。ChatGPT、Claude、Geminiなどをブラウザやアプリで使うとき、AIの計算は運営会社のサーバーで行われるため、PC側のNPUの有無は関係ありません。
NPUが効くのは、Web会議の背景ぼかしや視線の補正、音声の字幕化と翻訳、写真の高画質化など、インターネットに送らずにPCで処理する機能です。
CPU・GPU・NPUの役割の違い
3つのプロセッサーは、得意な仕事が違います。会社にたとえると、CPUは何でもこなす事務のまとめ役、GPUは同じ作業を大人数で一気に進める作業班、NPUはAIの計算だけを専門にする省エネの担当者です。
AIの計算はGPUでもできますが、GPUは電力を多く使います。背景ぼかしのように会議の間ずっと動き続ける処理をNPUに任せると、CPUとGPUの負担が減り、ノートPCのバッテリーも長持ちしやすくなります。
CPU・GPU・NPUの得意な仕事
- CPU(中央処理装置)
OSやアプリの動作、表計算、ブラウザなど、ほとんどの処理のまとめ役。複雑な手順の処理が得意
- GPU(画像処理装置)
画面の描画、ゲーム、動画の書き出し、画像生成AIなど、同じ計算を大量に並べる処理が得意。電力は多め
- NPU(AI処理装置)
背景ぼかし、字幕の翻訳、写真の補正など、AIの計算を少ない電力で続ける処理が得意
3つは多くの場合、1つのチップの中に一緒に入っています。NPUが加わっても、CPUやGPUの役目がなくなるわけではありません。
画像生成AIをPCで動かすような重い処理は、今も高性能なGPUのほうが速いことが多く、NPUは「続けて動くAI機能」を省電力で担うのが主な役目です。
NPUの性能「TOPS」の読み方
NPUの性能は「TOPS(トップス)」で表されます。1秒間に何兆回の計算ができるかを示す数字で、大きいほど多くのAI処理をこなせます。MicrosoftはCopilot+ PCの条件として、40 TOPS以上のNPUを求めています。
同じ「NPU搭載」「AI PC」でも、TOPSは製品によって大きく違います。40 TOPSに届かないNPUを積んだPCは、Copilot+ PC専用の機能が使えません。
カタログでは「Copilot+ PC」の表示か、NPUのTOPSの数字を確かめます。
| プロセッサー | NPUの性能 | Copilot+ PCの条件(40 TOPS) |
|---|---|---|
| Qualcomm Snapdragon X Elite | 45 TOPS | 満たす |
| Qualcomm Snapdragon X2 Elite | 最大80〜85 TOPS | 満たす |
| AMD Ryzen AI 300シリーズ | 最大50 TOPS | 満たす |
| Intel Core Ultra 200Vシリーズ | 最大48 TOPS | 満たす |
| Intel Core Ultra シリーズ3 | 最大50 TOPS(上位モデル) | 搭載モデルで確認 |
- 出典:Microsoft サポート:Copilot+ PC ハードウェア要件(新しいタブ)
- 出典:Qualcomm:Snapdragon X Elite 製品概要(NPU 45 TOPS)(新しいタブ)
- 出典:Qualcomm:Snapdragon X2 Elite(NPU 最大80〜85 TOPS)(新しいタブ)
- 出典:AMD:Ryzen AI 300 Series Processors(NPU 最大50 TOPS)(新しいタブ)
- 出典:Intel:Core Ultra 200V series processors(NPU 最大48 TOPS)(新しいタブ)
- 出典:Intel Newsroom:CES 2026 Intel Core Ultra Series 3(最大50 NPU TOPS)(新しいタブ)
Copilot+ PCの条件と、使えるようになる機能
Copilot+ PCは、Microsoftが定めた条件を満たすAIパソコンの呼び名です。条件は、40 TOPS以上のNPU、16GB以上のメモリ、256GB以上のSSD、Windows 11 バージョン24H2以降です。
条件を満たすPCでは、Copilot+ PC専用の機能が使えます。Microsoftの案内で、インターネットにつながなくても動くとされるのは次の4つです。
- リコール(プレビュー):過去の作業画面を探せる
- Windows スタジオ エフェクト:背景ぼかしや視線補正
- ライブ キャプション:音声の字幕と翻訳
- 写真の高画質化
このほか、ペイントの「コクリエイター」や、画面の内容から次の操作を提案する「クリックで実行」(プレビュー)、自然な言葉で探せるWindows検索も含まれます。
機能によってはMicrosoftアカウントでのサインインやインターネット接続が必要で、プレビュー中の機能は内容が変わることがあります。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| NPU | 40 TOPS以上 |
| メモリ | 16GB以上 |
| ストレージ | 256GB以上のSSD |
| OS | Windows 11 バージョン24H2以降 |
NPU搭載のAIパソコンが必要な人・不要な人
NPUが役立つかは、PCの中で動くAI機能を使うかどうかで決まります。この節の表「使い方ごとのNPUの効果」で、自分の使い方に近い行を確かめてください。
ゲームや動画編集が中心の人は、NPUよりGPUとメモリの性能が効きます。事務作業やブラウザでのAI利用が中心なら、NPUの有無より、メモリ16GBとSSDの容量を優先したほうが満足度は上がります。
| 使い方 | NPUの効果 |
|---|---|
| ChatGPTなどをブラウザで使う | ほぼなし(AIの計算はサーバー側) |
| Web会議が多い(背景ぼかし・視線補正) | あり。CPUとバッテリーの負担が減る |
| 英語の動画・会議を字幕で見たい | あり(ライブ キャプションの翻訳) |
| ゲーム・動画編集・画像生成AI | 小さい。GPUとメモリが重要 |
| メール・表計算などの事務作業 | 小さい。メモリ16GBとSSDを優先 |
AIパソコンを買うときに見る3つのポイント
- 「Copilot+ PC」の表示:「AI PC」とだけ書かれた製品には、NPUが40 TOPSに届かないものもあります。Copilot+ PCの機能を使いたいなら、この表示を確かめます。
- プロセッサーの種類:SnapdragonのPCはArm版のWindowsで動きます。Microsoftは、周辺機器はWindowsに組み込まれたドライバーか、Arm用のドライバーがある場合に動くと説明しています。使っているプリンターや業務ソフトの対応を先に確かめましょう。
- メモリ:Copilot+ PCの条件は16GB以上です。AI機能を使いながらブラウザや会議アプリを開くなら、容量に余裕があるほど快適です。
選び方はノートPCのメモリは16GBと32GBどっち?にまとめています。CPUの型番の読み方はCPUの型番の読み方をご覧ください。
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
NPUがないPCでは、ChatGPTは使えませんか?
使えます。ブラウザやアプリで使うChatGPT、Claude、GeminiなどのAIは、運営会社のサーバーで計算しているため、PCのNPUは使いません。NPUが働くのは、背景ぼかしや字幕の翻訳など、PCの中で処理するAI機能です。
NPUとGPUは、どちらがAIに向いていますか?
役割が違います。画像生成AIをPCで動かすような重い処理は、高性能なGPUのほうが速いことが多いです。NPUは、会議中の背景ぼかしのように長く続くAI処理を、少ない電力でこなすのが得意です。
「AI PC」と「Copilot+ PC」は同じですか?
同じではありません。Copilot+ PCは、40 TOPS以上のNPU、16GB以上のメモリ、256GB以上のSSDなど、Microsoftの条件を満たすPCの呼び名です。「AI PC」は各社がより広い意味で使う言葉で、条件を満たさない製品も含まれます。
TOPSは大きいほど、体感で速くなりますか?
NPUを使うAI機能では処理に余裕が生まれますが、ブラウザや表計算などふだんの操作の速さは、CPUやメモリ、SSDで決まります。TOPSは、Copilot+ PCの条件(40 TOPS以上)を満たすかどうかの目安として見ましょう。
この記事を共有する
出典と、この記事について
公式資料や、記事で参照した発表・報道をまとめています。仕様や料金は、利用する前に最新の案内をご確認ください。
- Microsoft サポート:Copilot+ PC ハードウェア要件(新しいタブで開きます)
- Microsoft:Copilot+ PC(新しいタブで開きます)
- Intel:Core Ultra 200V series processors(NPU 最大48 TOPS)(新しいタブで開きます)
- Intel Newsroom:CES 2026 Intel Core Ultra Series 3(最大50 NPU TOPS)(新しいタブで開きます)
- AMD:Ryzen AI 300 Series Processors(NPU 最大50 TOPS)(新しいタブで開きます)
- Qualcomm:Snapdragon X Elite 製品概要(NPU 45 TOPS)(新しいタブで開きます)
- Qualcomm:Snapdragon X2 Elite(NPU 最大80〜85 TOPS)(新しいタブで開きます)
- Microsoft サポート:Windows ARM ベースの PC に関するよくあるご質問(新しいタブで開きます)
- FMV Store:Copilot+ PC(新しいタブで開きます)
確認した内容と条件は本文に記載しています。結果や使い勝手は、資料や環境によって異なります。編集方針を読む




ぜひコメントください