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ChatGPTは、人をだまそうとして嘘をつくわけではありません。分からないことにも、もっともらしい答えを作ってしまうことがあり、それが「嘘ばかり」に見えます。
この記事では、2026年9月25日に確認したOpenAIの説明と、同じ日にChatGPTに実際に頼んだ結果をもとに、間違えやすい質問の見分け方と、間違いを減らす使い方を説明します。
この記事の目次
結論:分からないときに当て推量で答えるから。種類を見分けて確かめる
OpenAIは、正しくない答えを自信を持って作る現象を「ハルシネーション」と呼び、その原因の1つを、学習と評価の手順が「不確実性を認めるよりも、当て推量のほうに報酬が出る」ためだと説明しています。
つまり、ChatGPTは分からないときほど、それらしい答えを作りやすいのです。間違えやすい質問には傾向があるので、種類を見分けて確かめ方を変えます。
種類ごとの確かめ方は、表「間違えやすい質問と確かめ方」のとおりです。
| 質問の種類 | 間違えやすい理由 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 最近の出来事・料金・日程 | 学んだ後に変わっている | Web検索で出典を開く |
| 人の経歴や細かい固有名詞 | 文章に出てくる回数が少ない | 公式のページや名簿で確かめる |
| 論文・本・記事の出典 | 題名や著者をそれらしく作る | 書名や題名で検索し、実在を確かめる |
| 桁の多い計算・数え上げ | 文字として答えを作っている | コードで計算させる、電卓で確かめる |
| 社内の決まり・個人の事情 | そもそも知らない | 資料を渡して、それだけで答えさせる |
OpenAIの説明:当て推量に点が付く学び方
OpenAIは、この問題を多肢選択のテストにたとえています。答えが分からなくても、当てずっぽうで書けば当たるかもしれません。空欄のままなら必ず0点です。
人の誕生日を聞かれて知らないとき、「9月10日」と推測すれば365分の1で当たります。「分かりません」と答えれば0点です。正解の数だけで採点すると、慎重に答えないモデルより、推測するモデルのほうが点が高く見えてしまいます。
OpenAIは、自信を持った間違いに、分からないと答えることより重い減点をする採点に変えるべきだと述べています。ChatGPTの答えを読むときも、「推測で埋めた部分があるかもしれない」と考えておくのが安全です。
頻度の低い事実ほど間違える
ChatGPTのもとになる言語モデルは、大量の文章で「次に来る言葉」を予測して学びます。OpenAIの説明では、このとき文章に「正しい・間違い」の印は付いていません。
つづりや括弧の対応のように、決まった規則がある事柄は、学ぶうちにほとんど間違えなくなります。一方で、ペットの誕生日のように規則がなく、めったに出てこない事実は、パターンから予測できません。
人の細かい経歴、小さな会社の情報、あまり知られていない本の中身などは、特に間違えやすいと考えてください。有名な事柄ほど正しく、珍しい事柄ほど怪しい、というのが大まかな目安です。
実際に試した:作り話は避けたが、計算は間違えて「正しい」と答えた
2026年9月25日に、ログインしない状態のChatGPTで、間違えやすい質問をいくつか試しました。1回ずつの結果で、毎回同じになるとは限りません。
存在しない小説と本の中身を聞くと、どちらも「確認できませんでした」「推測して挙げるのは避けます」と答え、作り話はしませんでした。
一方で、5桁どうしのかけ算は間違え、「確かめて」と頼んでも計算の過程を示さずに「はい、正しいです」と答えました。結果は表「間違えやすい質問を試した結果」のとおりです。
今回の試しでは、丸ごとの作り話より、細かい数字や数え上げのような部分の間違いが目立ちました。
| 質問 | ChatGPTの答え | 正しいか |
|---|---|---|
| 存在しない小説のあらすじ | 確認できないと答え、実在の作品を示した | 作り話はしなかった |
| 存在しない本の主張(検索なしで) | 書誌情報がないので推測しないと答えた | 作り話はしなかった |
| 84736×59217 | 5015877312 | 誤り(正しくは5,017,811,712) |
| 今の答えは正しいか確かめて | 「はい、正しいです」 | 確かめずに正しいと答えた |
| 文字列の中の「か」の数 | 10 | 誤り(正しくは11) |
「前より自信満々に間違える」と感じる理由
知恵袋には、英文法の質問で、自信満々の間違いが増えたと感じるという相談がありました。答えの文章が滑らかになるほど、間違いも正しそうに見えます。
OpenAIは、GPT-5の資料の結果を例に挙げています。考えるモデル(gpt-5-thinking-mini)は、答えを控えた割合が52%、間違いが26%でした。
古いモデル(o4-mini)は、正解の割合はほぼ同じでしたが、答えを控えたのは1%で、間違いが75%でした。分からないときに控えるかどうかで、間違いの数が大きく変わることが分かります。
また、9月22日に発表したGPT-6 Solは、利用者が間違いを指摘した会話をもとにした社内の評価で、前のモデルより間違いが約半分になったと説明しています。モデルは改善していますが、間違いがなくなったわけではありません。
よくある3つの場面:どこで間違え、どう確かめるか
「嘘ばかり」と感じやすい場面を3つ挙げ、どこで間違えやすいかと確かめ方を並べます。
- レポートの参考文献を探してもらう:題名や著者をそれらしく作ることがある。書名で検索し、図書館の検索や出版社のページで実在を確かめる。
- 会議資料の数字をまとめてもらう:元の資料にない数字や、計算の間違いが入ることがある。元の資料と照らし合わせ、計算はコードで確かめる。
- 英文法の質問をする:説明は滑らかでも、例外の規則を間違えることがある。辞書や文法書の該当の項目で確かめる。
どの場面でも、答えの「形」は正しそうに見えます。中身の数字・名前・規則を、元の情報と照らし合わせることが大切です。
任せやすいこと、任せにくいこと
間違えやすい質問がある一方で、ChatGPTが役に立ちやすい使い方もあります。任せ方を分けると、「嘘ばかり」と感じることが減ります。
任せやすいのは、文章の下書き、要約、言い換え、アイデアを広げること、自分で書いた文章の読みにくい所を探すことです。答えが1つに決まらない作業で、最後に自分で読んで判断できます。
任せにくいのは、正解が1つに決まる事実の確認です。数字・日付・人名・出典は、ChatGPTの答えを入口にして、必ず元の情報で確かめます。
使い方1:Web検索を使い、出典を開いて確かめる
最近の出来事や料金、日程を聞くときは、Web検索を使った答えにします。今回の試しでも、存在しない小説の質問では、ChatGPTが検索して情報源を示し、「確認できませんでした」と答えました。
大切なのは、出典のリンクを実際に開くことです。出典が付いていても、その文章に答えの内容が本当に書かれているとは限りません。
開いたページでは、答えの数字や日付がそのまま書かれているか、ページの更新日が古すぎないかを確かめます。
なお、「検索は使わずに」と頼んだ質問でも、情報源として公式サイトを表示したことがありました。検索を使ったかどうかは、答えの下の情報源の表示で確かめてください。
使い方2:難しい質問は、考える量を上げる
OpenAIは、GPT-5では特に推論(考える)を使う場合に、ハルシネーションが大きく減ったと説明しています。複雑な質問は、考える量を上げたほうが間違いにくくなります。
Plus・Proでは、2026年9月14日から、即時モードから考えるモードへ自動では切り替わらなくなりました。難しい質問は、送る前にモデル選択で「中程度」か「高」を選びます。Free・Goでは「Think」を使えます。
ただし、考える量を上げても、間違いがゼロになるわけではありません。確かめる手順は、どの設定でも必要です。
使い方3:「分からないときは分からない」と書かせる
OpenAIの説明では、モデルの行動の指針(Model Spec)で、間違っているかもしれない情報を自信を持って出すより、不確実さを示したり、質問を確かめたりするほうがよいとしています。
依頼文でも、自信がない点を分けて書くように頼むと、推測で埋めた部分を見つけやすくなります。依頼文の例は、囲み「自信がない点を分けて書かせる依頼文」のとおりです。
使い方4:前提の資料を渡し、その範囲で答えさせる
社内の決まりや、自分の仕事の細かい事情は、ChatGPTはそもそも知りません。知らないことを聞くと、一般的な話でそれらしく埋めてしまいます。
こうした質問は、規程や資料を貼り付けるか添付して、「この資料に書かれていることだけで答えて。書かれていなければ、書かれていないと答えて」と頼みます。
質問を小さく分けることも効果があります。1回に複数のことを聞くより、1つずつ聞いたほうが、どこで間違えたかを見つけやすくなります。
間違いを見つけたときの伝え方
間違いを見つけたら、「違います」とだけ伝えるより、正しい情報と出典を添えて直してもらうほうが確実です。どこが違うかが伝わらないと、別の間違いに置き換わることがあります。
同じ間違いを何度も繰り返す場合は、その会話に間違った前提が残っている可能性があります。新しいチャットで、正しい前提を最初に書いてから聞き直してください。
間違いを直した答えも、もう一度元の情報で確かめます。直した後の答えが正しいとは限らないためです。
確かめる手順:大事な答えは3つの点を見る
答えをそのまま使う前に、次の3つの点を確かめます。仕事や学校に出す文章なら、必ず行ってください。
- 数字と日付:公式のページや元の資料と一つずつ照らし合わせる。
- 固有名詞と出典:人名・会社名・書名を検索し、実在して内容が合っているかを見る。
- 計算:コードで計算させた結果か、電卓で確かめる。
確かめる手順を表にまとめた生成AIのファクトチェック手順|数字・出典・日付を見落とさない確認表も使ってください。
「嘘をつかない設定」はあるか
「これを入れれば嘘をつかなくなる設定」はありません。OpenAIは、モデルの大きさや検索・推論の力にかかわらず、正確さが100%に達することは決してないと説明しています。
できるのは、間違いを減らし、見つけやすくすることです。カスタム指示に「自信がない点は分けて書く」「数字には出典を付ける」と書いておくと、毎回の依頼で書く手間が省けます。
反対に、「絶対に嘘をつかないで」とだけ書いても、効果はあまり期待できません。何をすれば間違いが見つけやすくなるかを、具体的に書いてください。
答えを最終判断にしてはいけない場面
間違いがゼロにならない以上、答えをそのまま最終判断にしてはいけない場面があります。
- 体調や薬、法律、お金の判断:参考にとどめ、医師・専門家・公式の窓口で確かめる。
- 人の評判や経歴:間違った情報で人を傷つけるおそれがある。
- 締切や金額が決まっている手続き:申込の締切や料金は、必ず公式のページで確かめる。
個人情報を入力してしまったときの対処は、ChatGPTに個人情報を入力してしまった!すぐやる3つの操作で説明しています。
相手に合わせすぎる答えにも注意する
「嘘」に見えるものには、相手の意見に合わせすぎる答えもあります。自分の考えを書いて「これで合っていますか」と聞くと、間違いを指摘せずに同意することがあります。
確かめたいときは、「間違っている点を3つ挙げて」「反対の立場から見た問題点は」と、あえて弱い点を探させる頼み方にします。
全肯定をやめさせる設定は、ChatGPTの全肯定をやめさせる方法で説明しています。
使う前の確認リスト
最後に、ChatGPTの答えを使う前の確認をまとめます。
- 最近の出来事・料金・日程は、Web検索の出典を開いて確かめた
- 人名・書名・出典は、検索して実在と内容を確かめた
- 計算は、コードの結果か電卓で確かめた
- 難しい質問は、考える量を上げて聞いた
- 体調・法律・お金の判断は、専門家や公式の窓口で確かめる
よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
ChatGPTはなぜ嘘をつくのですか?
だまそうとしているのではなく、分からないときにもっともらしい答えを作ってしまうためです。OpenAIは、学習と評価の手順で、分からないと答えるより当て推量のほうが点になりやすいことを原因の1つに挙げています。
ChatGPTに聞いてはいけないことは?
聞くこと自体より、答えを最終判断にしないことが大切です。体調や薬、法律、お金の判断は専門家や公式の窓口で確かめてください。人に知られて困る個人情報は入力しないでください。
ChatGPTが嘘をつかなくなる設定はありますか?
ありません。OpenAIは、正確さが100%に達することは決してないと説明しています。カスタム指示に「自信がない点は分けて書く」「数字には出典を付ける」と書くと、間違いを見つけやすくなります。
ChatGPTに頼りすぎるとどうなりますか?
確かめる習慣がなくなると、間違った数字や出典をそのまま使ってしまうおそれがあります。大事な答えほど、出典を開く、コードで計算させる、と手順を決めておくと安心です。
有料プランなら間違えませんか?
有料プランでも間違えます。考える量を上げると間違いは減りやすくなり、OpenAIは新しいモデルで間違いが減ったと説明していますが、ゼロにはなりません。どのプランでも確かめる手順が必要です。
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出典と、この記事について
公式資料や、記事で参照した発表・報道をまとめています。仕様や料金は、利用する前に最新の案内をご確認ください。
- OpenAI:言語モデルでハルシネーションがおきる理由(2025年9月5日)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center:ChatGPT の GPT-5.6 と GPT-6 Pro(新しいタブで開きます)
- OpenAI:Introducing GPT-6 Sol and Luna(2026年9月22日)(新しいタブで開きます)
確認した内容と条件は本文に記載しています。結果や使い勝手は、資料や環境によって異なります。編集方針を読む




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