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リピート率は、対象にした顧客のうち、決めた条件で再購入した顧客の割合です。ただし、期間中に2回以上買った人を数えるか、初回購入者が一定日数以内に戻ったかを見るかで、分母と答えが変わります。
同じ架空データで「期間内に2回以上購入した人は60%」「1月の初回購入者が90日以内に再購入した割合は50%」を計算します。どちらが正しいかではなく、知りたいことに合う定義を決め、同じ条件で比べるのが出発点です。
この記事の目次
最初に、2種類の質問を分ける
「今期の購入者に、何度も買った人がどれくらいいるか」と「初めて買った人が、その後戻ったか」は違う質問です。前者は期間内の顧客構成、後者は初回購入者の継続を見ます。社内で使う呼び名が同じでも、計算条件を書き添えてください。
Shopifyの解説は複数回買う顧客をリピート顧客として扱っています。本記事では比較を明確にするため、下の2つを独自の集計定義として使います。業種共通の唯一の式という意味ではありません。
| 目的 | 分子 | 分母 |
|---|---|---|
| 2026年1–4月の購入者構成 | 期間内に有効な別注文が2件以上ある顧客数 | 期間内に有効な注文が1件以上ある顧客数 |
| 1月の初回購入後の再購入 | 1月初回の顧客で、初回から90日以内に有効な別注文がある人数 | 1月初回の顧客で、90日間の観察が完了した人数 |
注文数ではなく、顧客IDと注文IDを整える
例は2026年1月1日から4月30日まで。顧客C001の2月2日の注文O002には商品明細が2行ありますが、購入は1回です。明細行をそのまま回数にすると、同じ日に同じ注文で2品買った人をリピートと誤判定します。
今回は全返品の注文を除外し、部分返品でも返金後に有効な購入が残る注文は1回として数えるルールです。キャンセル、交換、定期便、同日別注文をどう扱うかは自社で決め、過去との比較でも固定してください。

| 顧客ID | 注文日と注文ID | 扱い |
|---|---|---|
| C001 | 1/5 O001、2/2 O002(明細2行) | 2注文 |
| C002 | 1/10 O003、4/20 O004 | 2注文 |
| C003 | 1/20 O005、2/20 O006(全返品) | 1注文 |
| C004 | 1/30 O007、3/20 O008 | 2注文 |
| C005 | 4/20 O009 | 1注文 |
計算1:期間内のリピート顧客率は60%
有効な購入者はC001〜C005の5人。うち2件以上の有効注文があるのはC001、C002、C004の3人です。したがって、3÷5×100=60%になります。全返品を除いた有効注文は8件ですが、8を分母にしません。
この60%は、期間内に何度も買う人が購入者のどれくらいを占めるかを示します。期間外で以前買った人が、期間内では1回だけ買った場合、この定義の分子には入りません。「既存顧客の割合」を知りたいときは、過去の購入履歴を使う別の定義が必要です。
計算2:1月初回購入者の90日以内リピート率は50%
1月に初めて購入したのはC001〜C004の4人とします。配布表は初回購入日の翌日から90日後までを対象とし、その間に有効な別注文があるかを見ます。
C001とC004は該当。C002の4月20日の再購入は初回1月10日から90日を超え、C003の2回目は全返品のため対象外です。2÷4=50%になります。
4月20日初回のC005は、4月30日時点で90日間を観察できていません。再購入がない人として0点にせず、今回の90日判定から外します。また、初回購入日は全履歴から確かめる必要があります。1月以降のデータしかなければ、1月購入が本当に初回かは未確認です。
配布表は日付単位なので、同じ日の別注文は90日以内の再購入へ含めません。同日も数えたい場合は、注文時刻を含めて初回と次回を区別し、本文・集計表の定義を合わせて変更してください。

| 顧客 | 90日以内の再購入 | 判定理由 |
|---|---|---|
| C001 | あり | 2/2の別注文が対象内 |
| C002 | なし | 4/20は90日を超える |
| C003 | なし | 2/20の注文は全返品で除外 |
| C004 | あり | 3/20が対象内 |
| C005 | 判定対象外 | 1月初回ではなく、観察日数も不足 |
Excelは、明細→注文→顧客の順に確認する
配布Excelは、元の明細と注文単位の確認、顧客単位の判定を分けています。先に注文IDの重複と返品を処理し、それから顧客ごとの有効回数と初回日を確認します。実データへ置き換えるときは、顧客IDが複数になっている同一人物や、誤って統合された別人も調べてください。
期間の開始・終了と観察基準日を変更したら、対象となる注文、観察完了者、分子の人物が意図どおり変わるか見ます。空欄や不正な日付を0日として扱わず、入力を直してから結果を使ってください。分母が0人なら、0%とはせず「算出不可」とします。
配布ファイルは本文の例を再計算するための出発点です。黄色の入力欄を架空データで試してから使い、行を増やす際は集計・検索の参照範囲も合わせて延ばしてください。会社が認めた保存先で扱い、実データへ置き換える前に原本を別名で残します。

過去や他店と比べる前に、条件を合わせる
30日と90日、全顧客と新規顧客、商品カテゴリ別と全店では、率が変わります。買い替え周期の長い商品を、消耗品と同じ目安で評価しないでください。本記事の60%や50%は架空例の計算結果で、良い水準の推奨値ではありません。
数人の集計では1人の違いで大きく動きます。率だけでなく分子と分母を併記し、購入経路、初回の商品、再購入までの日数を同じ条件で見ると、確かめる対象を絞れます。売上の増減には単価や新規顧客数も関係するため、率だけで施策の効果を断定しません。
低いときは、次の購入を妨げる場面を調べる
初回購入後の案内が届かない、使い方が分からない、再購入する場所が見つからないなど、原因の候補を実際の問い合わせや購入手順から確認します。値引きを先に決めると、粗利を減らしても理由を解消できないかもしれません。
例えば使い方の問い合わせが多ければ、案内を改善した対象と期間を記録し、同じ観察日数を満たした顧客同士で再購入を比較します。メールを送るなら配信の許可や停止方法を守り、購入を急がせるためだけの連絡を増やさないようにしてください。
継続課金の解約を調べる場合はチャーンレートの計算が別の指標になります。

よくある疑問を、ここで。
使い始める前に、気になるところから。
リピート注文数÷全注文数ではだめ?
注文の構成を見る別指標として使えますが、顧客の割合とは異なります。何を1件とし、分子と分母を何にしたか明示してください。
期間内の最初の購入を初回にしてよい?
全履歴を確認できなければ、過去に買った人かは分かりません。「集計期間内の最初」と明記するか、初回購入日を持つデータを用意します。
購入者が0人の月は0%?
分母が0のため算出できません。0人中0人と、購入者はいるが再購入0人の状態を区別してください。
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